初回出稿日:2024年12月19日
被扶養者(健康保険の)
健康保険では、被保険者本人だけでなくその被扶養者も保険給付の対象となります。本記事では、その被扶養者となり得る範囲や、被扶養者に異動があった場合の届出についてカバーします。
被扶養者の範囲
協会けんぽや健康保険組合において被保険者の被扶養者となるには、以下に述べる4つの要件(1.国内居住要件、2.被保険者との親族要件、3.被保険者による生計維持要件、及び、4.その他の要件)をすべて満たす必要があります。
1. 国内居住要件
以下のいずれかに該当しなければなりません。
- ・日本国内に住所(住民票)を有するもの
- ・日本国内に住所(住民票)を有しないが、日本国内に生活の基礎があるものとして厚生労働省令で定めるもの
-
具体的には、以下(※1)。
スクロールできます① 外国において留学をする学生 ② 外国に赴任する被保険者に同行する者 ③ 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 ④ 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者であって、②に掲げる者と同等と認められるもの(海外赴任中に生まれた被保険者の子、海外赴任中に結婚した被保険者の配偶者など) ⑤ 上記①〜④に掲げる者のほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基盤があると認められる者
(※1)健康保険法施行規則37条の2
2. 被保険者との親族要件
以下のいずれかに該当しなければなりません。
- ・同居の有無に拘らず被扶養者となれる範囲
-
被保険者の直系尊属、配偶者(内縁関係も含む)、子、孫、兄弟姉妹
- ・同居を前提として被扶養者となれる範囲
- スクロールできます
① 被保険者の3親等内の親族(下図1の薄緑色の者) ② 被保険者と内縁関係にある配偶者の父母、子(下図2の薄緑色の者)(内縁関係にあった配偶者の死亡後もその父母、子と同居している場合は被扶養者となれる) -
【図1】被保険者の3親等内の親族
-
【図2】内縁関係にある配偶者の父母、子
3. 被保険者による生計維持要件
被扶養者は、主として被保険者が生計を維持する者である必要があり、その認定は以下の基準によります。
- ・対象者が被保険者と同居している場合
-
以下のいずれかを満たしている者
スクロールできます① 対象者が60歳未満の場合、その年間収入(※2)が130万円未満であって被保険者の年間収入を上回らない者 ② 対象者が60歳以上、又は障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合、その年間収入(※2)が180万円未満であって被保険者の年間収入を上回らない者 - ・対象者が被保険者と同居していない場合
-
以下のいずれかを満たしている者
スクロールできます① 対象者が60歳未満の場合、その年間収入(※2)が130万円未満であって被保険者からの援助額(仕送額)より少ない者 ② 対象者が60歳以上、又は障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合、その年間収入(※2)が180万円未満であって被保険者からの援助額(仕送額)より少ない者
(※2)この場合の年間収入はすべての収入を対象とし、公的年金や失業手当なども原則として含まれます。
4. その他の要件
以下のいずれかに該当する者は被保険者になれません。
- ・後期高齢者医療の被保険者(75歳以上の者、又は65歳以上で障害認定を受けている者)
- ・除外すべき者として厚生労働省令で定める者
-
具体的には、以下(※3)。
スクロールできます① 日本の国籍を有しない者であって、いわゆる医療滞在ビザで来日した者 ② 日本の国籍を有しない者であって、観光・保養を目的とする最長1年のいわゆるロングステイビザで来日した者
(※3)健康保険法施行規則37条の3
被扶養者に関する届出
被扶養者に異動があった場合、健康保険の一般被保険者(※4)は事業者を通して以下の届出を行わなければなりません(任意継続被保険者(※4)は、本人が直接届出を行う必要があります)。
何を | どこへ | いつまでに |
---|---|---|
健康保険被扶養者(異動)届(※5) | 所轄の年金事務所(※6) | 事実発生日から5日以内 |
- 被保険者の資格取得時に被扶養者を有しているときや、資格取得後に被扶養者を有するに至ったとき(或いは該当しなくなったとき)など、異動があったときに都度届出が必要です。
- 協会けんぽ加入の場合の上記届の様式、記入方法や添付書類などについては日本年金機構「家族を被扶養者にするとき…」から同「健康保険被扶養者(異動)届」をご参照ください。また、e-Gov による電子申請も可能です。(健康保険組合の場合の様式、記入方法などについては健康保険組合へご確認ください。)
(※4)健康保険の被保険者の種類については、「社会保険の適用基準」をご参照。
(※5)協会けんぽの場合、国民年金の第3号被保険者に関する異動届と一体となった「健康保険被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届」となっています。健康保険被扶養者(異動)届としてのみ提出する場合には、備考欄に「扶養届のみ」や「3号届なし」などと記載して提出します。(記入方法等については、日本年金機構「健康保険被扶養者(異動)届」をご参照。)
(※6)(協会けんぽではなく)健康保険組合に加入している場合は健康保険組合へ提出します。
以上