初回出稿日:2025年2月25日
本記事では、不動産関連の3種類の支払調書について、その概要(作成・提出が必要となる基準、作成する場合に参考となるリンク等)について解説します。
【表1】本記事でカバーする3種類の支払調書の概要
不動産の使用料等の支払調書 | 不動産の使用に関わる賃借料、礼金、更新料などの支払内容を報告 |
不動産等の譲受けの対価の支払調書 | 不動産を取得した場合の支払内容を報告 |
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 | 不動産取引のあっせん手数料を支払った場合の支払内容を報告 |
作成・提出が必要となる基準
以下の基準に該当する場合に、表1のそれぞれの支払調書を作成、提出する必要があります。
- 共通基準
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対象となる不動産 不動産、不動産の上に存する権利、船舶(総トン数20トン以上のものに限る)、航空機 作成義務のある支払者 法人、及び、不動産業者である個人(※1) (※1)「不動産業者である個人」とは、宅地建物取引業者のうち、建物の賃貸借の代理や仲介を主な事業目的とする者以外の者をいう。
- 「不動産の使用料等の支払調書」の基準
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使用料等の範囲 支払先が個人の場合(※2) 不動産の賃借料(※3)
地上権、地役権、賃借権など不動産を一定期間使用するために支払う権利金、礼金等
契約の満了や借地上の建物の増改築等に伴って支払う更新料・承諾料等
借地権や借家権を譲り受けた場合に地主や家主に支払う名義書換料等支払先が法人の場合 (支払先が個人の場合の使用料等の範囲から、賃借料を除いたものが対象)
地上権、地役権、賃借権など不動産を一定期間使用するために支払う権利金、礼金等
契約の満了や借地上の建物の増改築等に伴って支払う更新料・承諾料等
借地権や借家権を譲り受けた場合に地主や家主に支払う名義書換料等提出が必要となる金額基準 支払先当たり、対象年の支払額が15万円を超えるもの(※4) (※2)不動産の管理会社を通じて、個人に対し不動産の使用料等の支払をする場合、当該支払は個人に支払う不動産の使用料等となる。
(※3)催物の会場を賃借する場合などの一時的な賃借料、陳列ケースの賃借料、広告等のための塀や壁面等のように土地、建物の一部を使用する場合の賃借料も含む。
(※4)原則として、消費税及び地方消費税の額を含めて判定しますが、消費税の額が明確に区分されている場合には、その額を含めずに判定しても良い。
- 「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の基準
- スクロールできます
不動産等の譲受けの対価の範囲 「不動産等の譲受け」には、売買のほか、交換、競売、公売、収用、現物出資等による取得も含まれる
不動産等の譲受けの対価のほかに、各種の費用、損失の補償金を支払った場合は、それを含めた支払総額を報告する提出が必要となる金額基準 支払先当たり、対象年の支払額が100万円を超えるもの(※5) (※5)原則として、消費税及び地方消費税の額を含めて判定しますが、消費税の額が明確に区分されている場合には、その額を含めずに判定しても良い。
- 「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の基準
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あっせん手数料の内容 名目が紹介料、業務委託料、コンサルタント料等であっても、実質的にあっせん手数料と同等の性質を有している場合については、この調書を提出する必要がある 提出が必要となる金額基準 支払先当たり、対象年の支払額が15万円を超えるもの(※6) 提出が不要な場合 「不動産の使用料等の支払調書」又は「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の(摘要)欄の「あっせんをした者」に記載したものについては、この支払調書の作成、提出を省略できる (※6)原則として、消費税及び地方消費税の額を含めて判定しますが、消費税の額が明確に区分されている場合には、その額を含めずに判定しても良い。
作成する場合の参考リンク等
不動産関連の支払調書のフォーマットは下図1〜3をご参照ください。
フォーマットの取得及び記載要領については、国税庁「不動産の使用料等の支払調書(同合計表)」、同「不動産等の譲受けの対価の支払調書(同合計表)」、同「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書(同合計表)」などをご参照ください。記載方法は、国税庁「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」の「第5 不動産の使用料等の支払調書」、「第6 不動産等の譲受けの対価の支払調書」、「第7 不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書」も参考になります。
【図1】不動産の使用料等の支払調書
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【図2】不動産等の譲受けの対価の支払調書
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【図3】不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
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以上の不動産関連の支払調書を提出する際には、法定調書合計表の該当箇所に集計を記入し、他の法定調書とともに税務署へ提出します。具体的には「法定調書の種類、主な法定調書とその提出方法」をご参照ください。
以上