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外国人労働者の雇用

初回出稿日:2025年10月31日

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在留資格 在留カード 指定書 不法就労助長罪 資格外活動許可 監理団体 登録支援機関 監理支援機関

本記事では、(日本国籍を持たない)外国人の雇用について、その概要を解説します。外国人の雇用に関しては「在留資格」ごとに細かい規定があり、全てをカバーすると膨大な量となるため、本記事では外国人の雇用を初めて検討する事業者のために、まずは外国人雇用に関する全体像をカバーし、続いて一般的な事業者が雇用対象とする在留資格等に限定してその概要を紹介することにします。本記事のポイントは以下の通りです。

  1. 外国人を使用する場合、就労可能な「在留資格」又は「資格外活動許可」を持つ者でなければならない。
  2. 就労可能な在留資格には、その在留資格ごとに雇用に関する要件や手続が規定されており、事業者は自らの事業の内容及び規模、就労させる職務や(必要な場合の)サポート体制などが要件を満たすかどうかを考慮して採用を進める必要がある。
  3. 資格外活動許可の場合は、就労時間などに制限があるため、それらに抵触しない範囲で使用する必要がある。

また、本記事で扱う外国人労働者(※1)に関しては、労働基準法、労働保険、社会保険、所得税、住民税などについて基本的に日本人と同様の扱いになります。従って、本サイトの他記事の内容も、本記事で扱う外国人労働者には適用になることにご留意ください。特に、社会保険関係については、外国人労働者に対し加入に理解を求める必要がある場合も想定されますので、この点に関して本記事の最後に補足しておきます。

(※1)居住者(国内に住所を有する者)であって、海外の事業者からの派遣や出向者でない外国人労働者を前提としています。仮に、非居住者の場合は所得税や住民税の扱いが異なり、海外の事業者からの派遣や出向者の場合は、出身国における社会保障制度への加入状況及び日本との社会保障協定の内容次第で、日本における社会保険等の扱いが異なる場合があります。

1. 使用することができる外国人(外国人雇用に関する全体像)

(1)基本的な考え方

日本に滞在する外国人は、いずれか1種類の在留資格を持っていなければなりません(※2)在留資格は下表1に示す通り、全部で29種類(2025年10月現在)もありますが、次の4つに大別することができます。

  • 特定分野での就労を目的とする「就労資格」(表1の 1.〜19.)
  • 留学や文化活動など、就労以外を目的とする「非就労資格」(同 20.〜24.)
  • 他の在留資格に当てはまらないもので、法務大臣が個別に指定する「特定活動」(同 25.)
  • 身分により付与される「居住資格」(同 26.〜29.)

以上の在留資格による滞在者を「労働者として使用できるか」という観点でみると、以下3つに絞ることができます。

  1. 日本での活動や就労に制約がなく、自由に雇用できる「居住資格」(表1の 26.〜29.)
  2. 在留資格の目的に合致する範囲でのみ雇用できる「就労資格」(同 1.〜19.)
  3. 本来の在留資格とは別に、「資格外活動許可」(詳細後述)によって一定限度で雇用できる者

このうち 2.の「就労資格」については、「外交」「公用」「教授」などの特殊分野、あるいは「医療」「介護」といった特定分野を対象とするものを除くと、一般的な事業者にとっての雇用対象としては、「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「高度専門職」「技能実習」「特定技能」あたりに絞られてきます。事実、日本で働いている外国人労働者の内訳を見ると、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「技能実習」に、「居住資格」及び「資格外活動」を合わると9割以上を占めています(下図1)。従って、本記事ではこれらに絞って解説していくことにします(※3)

【表1】在留資格一覧(※4)

就労資格
1. 外交

外国政府の大使、公使、総領事、代表団構成員等及びその家族

2. 公用

外国政府の大使館・領事館の職員、国際機関等からの公用派遣者等及びその家族

3. 教授

大学教授等

4. 芸術

作曲家、画家、著述家等

5. 宗教

外国の宗教団体から派遣される宣教師等

6. 報道

外国の報道機関の記者、カメラマン

7. 高度専門職
1号

ポイント制による高度人材

2号

1号の活動を行なった後、一定の基準を満たした者

8. 経営・管理

企業等の経営者・管理者

9. 法律・会計業務

外国法事務弁護士、外国公認会計士、弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、弁理士等

10.医療

医師、歯科医師、薬剤師、看護師等

11.研究

政府関係機関や私企業等の研究者

12.教育

中学校・高等学校等の語学教師等

13.技術・人文知識・国際業務

技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従業者等

14.企業内転勤

外国の事業所からの転勤者

15.介護

日本の介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士の資格を取得した者

16.興行

俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手、ファッションモデル、演出家等

17.技能

外国料理の調理師、スポーツ指導者、パイロット、貴金属等の加工職人、ソムリエ等

18.特定技能
1号

特定産業分野における相当程度の技能を要する業務の従事者

2号

特定産業分野における熟練した技能を要する業務の従事者

19.技能実習
1号

技能実習生(1年目)

2号

1号実習生のうち、規定の試験に合格し移行対象職種に就労する者

3号

2号実習生のうち、規定の試験に合格し一時帰国後に対象職種に就労する者

非就労資格
20.文化活動

日本文化の研究者等

21.短期滞在

観光客、会議参加者等(ビザ免除対象国・地域以外からの)

22.留学

大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、中学校及び小学校等の学生・生徒

23.研修

研修生

24.家族滞在

在留外国人が扶養する配偶者・子

特定活動
25.特定活動

外交官等の家事使用人、ワーキング・ホリデー、医療滞在、在留資格「留学」により大学等を卒業した者が引続き就職活動を行う場合など、法務大臣が個別に指定する活動

居住資格
26.永住者

法務大臣から永住許可を受けた者

27.日本人の配偶者等

日本人の配偶者・子・特別養子

28.永住者の配偶者等

永住者又は特別永住者(※5)の配偶者及び本邦で生まれ引続き在留している子

29.定住者

第三国定住難民、日系3世、中国残留邦人等

【図1】在留資格別労働者数・比率(※6)

(※2)例外は、ビザ免除対象の74カ国・地域(2025年9月現在)からの観光・商用目的等の短期滞在者です。厳密にはその他に、仮放免(不法滞在などで出入国在留管理局の管理下にある者であって一時的に身柄拘束が解かれる処分)、及び、仮滞在(難民認定申請において申請結果が出るまでに与えられる滞在許可)があります。これらの例外者は就労不可であり、本記事の考慮外です。

(※3)それ以外の特殊な就労資格に該当する外国人を雇用する場合には独自にご確認ください。

(※4)出入国在留管理庁「在留資格一覧表」をもとに作成。(1.〜29. の番号は、筆者が便宜上付したものです。)

(※5)特別永住者とは、戦後のサンフランシスコ平和条約により日本国籍を離脱した在日韓国人・朝鮮人・台湾人とその子孫で、法務大臣から許可を受けた者です。特別永住者には、在留カード(後述)ではなく特別永住者証明書が発行されますが、同証明書は携行する必要も就職の際の提示義務もありません。雇用に関しては日本人と同様の扱いになります。

(※6)厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」をもとに作成。

(2)「在留カード」について

在留資格を持って日本に滞在する外国人は、在留カード(下図2)を常時所持する義務があり(※7)、既に日本に滞在する外国人の採用を検討する際には、まず初めに在留カードを確認する必要があります。

在留カードの真偽チェックには、出入国在留管理庁のHPから「在留カード等読取アプリケーション」をスマートフォンなどに取入れて利用することができます。詳しくは、出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション サポートページ」を参照ください。

次に、在留カードの主なチェック項目について下図2及び下表2をご覧ください。実際に採用する際には在留カードの表裏両面(及び後述の「指定書」)のコピーをとって保管しておいてください。万一、在留資格等の確認を怠り、結果として不法就労者を使用した場合、不法就労助長罪(※8)に問われる可能性もあり、注意が必要です。

【図2】在留カード見本(※9)

【表2】在留カードの主なチェック項目

項目(番号は図2による)説明
① 在留資格表1の在留資格のいずれか一つ
② 就労制限の有無「就労不可」と記載ある場合、原則就労できませんが、項目⑥の「資格外活動許可欄」に記載があれば、その範囲内で就労可能です。
項目①の「在留資格」が居住資格(表1の 26.〜29.)のいずれかであって、「就労制限なし」と記載あれば、日本人労働者と同様の就労が可能です。
「指定書により指定された就労活動のみ可」などと記載されている場合、別途、指定書(※10)により、就労条件等を確認する必要があります。
➂ 在留期間(満了日)日本に在留できる期限日
在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請をせずに期限日を過ぎてしまうと、その翌日から不法滞在となります。
但し、在留期間の更新等の申請はこの期限日までに行えばよく、その申請中は不法滞在になりません。申請中かどうかは項目⑦の「在留期間更新等許可申請欄」で確認できます。
ちなみに在留カード表面の一番下に「在留カードの有効期限」の記載がありますが、これは在留期間とは別に「カード自体の有効期限」を示すものです。(例えば永住者の場合、在留期間は無制限ですが、カード自体は7年ごとに更新が必要。)この在留カードの有効期限が切れている場合も、不法滞在の可能性があるので注意が必要です。
④ 番号在留カードの識別番号
⑤ 住居地記載欄住居地を変更したときに、変更後の住居地が記載されます。
⑥ 資格外活動許可欄資格外活動許可を受けたときに、許可の内容が記載されます。
⑦ 在留期間更新等許可申請欄在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請を行なうと、「申請中」との記載がなされます。

(※7)正確には、外交、公用、特別永住者、短期滞在など在留カードが交付されない在留資格もあります。

(※8)不法就労外国人を雇用した事業主、不法就労となる外国人をあっせんした者など、不法就労を助長した者に課される処罰。3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が課される。

(※9)出入国在留管理庁「在留カードとは?」から抜粋。(番号及び表2の説明は筆者による。)尚、2026年6月までに在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の交付が始まる予定ですが、特定在留カードの取得は義務ではなく、引続き従来の在留カードの交付も行われることになっています。詳しくは出入国在留管理庁「在留カードとマイナンバーカードの一体化Q&A」などをご参照。

(※10)高度専門職、特定技能、特定活動などの在留資格の場合、在留カードの発行と同時に就労先や職務内容などを細かく規定した指定書が発行されます。指定書は通常パスポートにホッチキスで貼付されますが、オンライン申請による場合など単独で交付されることもあります。指定書がある場合は、在留カードに加え、指定書の内容を確認する必要があります。

2. 外国人のタイプ別解説

ここから、「基本的な考え方」で述べた「居住資格」「資格外活動」「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「高度専門職」「技能実習」及び「特定技能」について、順に解説していきます。

(1)居住資格

在留資格が「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の場合、在留カードの「就労制限の有無」の欄には「就労制限なし」と記載されています。この場合、日本人と同様に業種や職種に関係なく、また正社員、パートタイム、アルバイトなど労働条件に関係なく雇用することができます。採用及び採用後の手続も基本的に日本人と同様ですが、以下2点に注意が必要です。

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外国人を雇用する場合、その採用時及び離職時に外国人雇用状況届出書(※11)を事業所を管轄する公共職業安定所へ提出しなければなりません。採用した外国人が雇用保険の被保険者となる場合は、雇用保険の被保険者資格取得届(及び喪失届)が外国人雇用状況届出書を兼ねているので追加の書類提出は不要ですが、雇用保険の被保険者でない場合(※12)は外国人雇用状況届出書を採用日(及び離職日)の属する月の翌月末までに提出します(※13)
居住資格の保有者は基本的に就労制限がありませんが、在留資格自体が変更になる可能性には注意が必要です。例えば、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」は、配偶者との死別や離婚によって資格が失効するため、他の在留資格への変更がなければ不法滞在となる可能性があります。また、「永住者」であっても長期間海外に居住した場合などに「永住者」資格が取り消されることもあり得ます。従って、居住資格の保有者であっても定期的に(在留カードの更新期限ごとなど)確認するといった対応が必要です。

(※11)外交、公用又は特別永住者を除く在留資格を持つ外国人労働者について届出義務があります。尚、これ以降色々な手続名が出てきますが、「コラム①:外国人雇用に関する主な申請等手続」に本記事に関連する手続を一覧表にまとめていますのでご参考ください。

(※12)1週間の所定労働時間が20時間未満の者、昼間学生など。詳しくは「労働保険の適用基準」をご参照。

(※13)詳しくは厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」をご参照。

コラム①:外国人雇用に関する主な申請等手続

外国人の雇用に関してはさまざまな手続がありますが、本記事で扱う全ての手続を含め外国人雇用に関する主な手続を下表3にまとめました。記事を読みながら該当する手続名が出てきたときなど、必要に応じて参照ください。

また、各手続についてさらに詳細が知りたい場合、表3の①〜⑦については出入国在留管理庁「手続の種類から探す」などを、⑧〜⑩についてはそれぞれの概要欄にあるリンク先などを参照ください。

【表3】外国人雇用に関する主な手続一覧

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手続概要
① 在留資格認定証明書交付申請外国人を海外から招聘して採用する場合に、当該外国人が入国に必要な査証(VISA)を取得するために必要な在留資格認定証明書を申請する手続。在留資格認定証明書が交付されたら、その原本を海外の外国人に送付し、当該外国人が在外公館(日本大使館・領事館)で査証(VISA)を取得することができます。
② 在留資格変更許可申請日本に滞在する外国人が在留資格を変更するための手続(永住者への変更を除く)。例えば、大学に留学している外国人の採用を内定した場合、採用前に就労可能な在留資格に切替えておく(留学→技人国など)必要があります。申請には事業者の協力(代行、サポート等)が必要です。
③ 在留期間更新許可申請日本に滞在する外国人が、保有する在留資格を更新するための手続。
④ 在留資格取得許可申請日本に滞在する外国人(であって在留資格を持たない者)が在留資格を取得する手続。例えば両親が外国籍の場合、日本で生まれた子は日本国籍を取得することはできません。また、日本国籍を含む二重国籍の者が日本国籍を離脱した場合なども該当します。こうした場合、60日までは引続き日本に滞在することができますが、60日を超えて滞在する場合はこの申請によって在留資格を取得する必要があります。
⑤ 永住許可申請在留資格を有する外国人が、永住者への在留資格変更を行う手続。一般の在留資格変更許可手続(本表の②)とは独立した規定が設けられています。
⑥ 資格外活動許可申請居住資格以外の在留資格を有する外国人が、現に有する在留資格による活動以外に、収入を伴う事業活動や報酬を受ける就労活動を行う場合にあらかじめ受けておく許可。
⑦ 就労資格証明書交付申請日本に滞在する外国人が転職する際、新たな就職先での就労が入管法上問題ない旨あらかじめ認定を受ける手続。就労資格証明書があれば、次回の在留期間更新許可申請において簡易な書類提出で済みます。
⑧ 再入国許可申請日本に滞在する外国人が、一時出国後再入国する際に、入国・上陸手続を簡略化するための許可を出国前に取得しておく手続。再入国許可なしに一時出国した場合、それまでの在留資格は消滅し、再入国には新たに査証(VISA)取得などから手続する必要があります。再入国許可があれば、再入国時に査証(VISA)は免除され、従前の在留資格及び在留期間が継続しているものとみなされます。
尚、有効な在留資格(及び有効な旅券)を持つ外国人が出国後1年以内(かつ在留期限内)に再入国する場合は、再入国許可は不要です(「みなし再入国許可」といいます)。
詳しくは、出入国在留管理庁「再入国許可申請」をご参照。
⑨ 外国人雇用状況届出書外交、公用、特別永住者を除く外国人を雇用する事業主が、その雇入れ及び離職の都度、管轄の公共職業安定所への提出が義務付けられている届出(届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、罰則規定もあります)。
雇用する外国人が雇用保険の被保険者の場合は、雇用保険被保険者資格取得(喪失)届の該当する記載事項を記入すれば別途手続は不要ですが、雇用保険の被保険者でない場合は、外国人雇用状況届出書を個別に雇用、離職の日の翌月の末日までに提出する必要があります。
詳しくは、厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」をご参照。
⑩ 所属機関等に関する届出所属機関とは、在留外国人が在留資格に基づく活動を行っている機関や、雇用などの契約を行なっている企業等のことで、これらに変更があった場合に在留外国人が出入国在留管理局へ提出する届出(届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、罰則規定もあります)。届出義務者は在留外国人ですが、事業主等が代わりに提出することもできます。提出事由発生日から14日以内に提出する必要があります。届出様式は、在留資格及び提出事由によって異なります。
詳しくは、出入国在留管理庁「手続の種類から探す」(4-2 所属機関・配偶者に関する届出)をご参照。

また、外国人の就労資格に関する申請手続においては、その雇用主である事業者についてもさまざまな資料を提出して審査を受けることになります。その書類の種類、内容は事業者のカテゴリーによって決まっており、負担の少ない大企業等のカテゴリー1から負担の大きいカテゴリー4までに分かれています。

【表4】在留資格申請における事業者のカテゴリー

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カテゴリー1カテゴリー2カテゴリー3カテゴリー4
上場企業
保険業を営む相互会社
国、地方公共団体 等
前年分の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人(※14) 等前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(※14)左のいずれにも該当しない団体・個人

各手続のカテゴリー別の必要書類については、出入国在留管理庁「在留資格から探す」などを参照ください。

(※14)法定調書合計表などについては「法定調書の種類、主な法定調書とその提出方法」を参照ください。

(2)資格外活動

在留カードの「就労制限の有無」(図2の②)に「就労不可」と記載されていても、「資格外活動許可欄」(図2の⑥)に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載あれば、その範囲内で使用することができます(※15)。また、在留資格が「留学」の場合には、「原則週28時間以内」であっても夏休みなどの長期休暇期間中に限って1日8時間以内(1週40時間以内)の就労も認められています(※16)

その他採用及び採用後の手続は基本的に日本人と同様ですが、以下の注意が必要です。

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「週28時間以内」などの時間制限は、当人が複数の就業先で就労している場合、全ての就労先の労働時間の合計で判断する必要があります。従って、資格外活動による就業者を採用する場合には、他の就労先の有無や就労時間についての確認が必要です。
「風俗営業等の従事」は除外されていますが、これには風営法(※17)の規制対象となる業態であればその職種にかかわらず認められません。例えば、バーやキャバレーでの皿洗いや、パチンコ店での清掃といった接客を伴わない職種も違法となります。
居住資格の①と同様です。

(※15)資格外活動には包括許可と個別許可があります(「コラム②:資格外活動許可について」ご参照)が、包括許可を前提に解説しています。

(※16)「家族滞在」や「特定活動」など、「留学」以外の在留資格の資格外活動は、週28時間以内の就労しか認められません。

(※17)正式名称は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」。

コラム②:資格外活動許可について

居住資格以外の在留資格を有する外国人が、現に有する在留資格による活動以外に、収入を伴う事業活動や報酬を受ける就労活動を行う場合に、出入国在留管理局からあらかじめ受けておく許可を資格外活動許可といいます。典型的な例としては、在留資格として「留学」や「家族滞在」を有する者、あるいは「特定活動」として就職活動を行う者などが、原則週28時間以内の労働時間で、飲食店やコンビニでアルバイトをする場合などが該当します。

因みに、「永住者」や「日本人の配偶者等」などの居住資格を持つ外国人はそもそも就労制限がないため、資格外活動許可の対象ではありません。また、就労資格を持って働いている外国人が、働きながら学生としても活動する場合は、資格外活動許可は不要です(収入を伴う資格外活動ではないため)。

資格外活動許可には、「包括許可」と「個別許可」の2種類があります。

包括許可

在留資格「留学」「家族滞在」または「特定活動」の一部などの外国人が、週28時間以内で包括的に収入を得られる資格外活動を行うことができる許可。

個別許可

週28時間超の就労など包括許可の範囲を超える資格外活動を行う場合や、包括許可の対象外である在留資格を持つ外国人が資格外活動を行う場合に、働く場所や事業内容などを個別に定めて与えられる許可。例えば、留学生がインターンシップに従事するために週28時間を超える資格外活動を行う場合や、大学で勤務する在留資格「教授」を有する外国人が民間企業で語学講師として活動する場合などがあります。

(3)技術・人文知識・国際業務

技術・人文知識・国際業務(以下、「技人国(ぎじんこく)」と略称)は、専門性を必要とする業務に就労する外国人の代表的な在留資格です。技人国の在留資格を取得するには以下の要件を満たす必要があります。

当該外国人が有する技術や知識などの専門性と就労する業務の間に関連性があること
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を受けること

① の「専門性と業務の間の関連性」については、下表5の通り、専門分野ごとに一定の基準(学歴や実務経験など)を満たした者がその関連する業務に就労することが求められています。

また、②については、(技人国に限らず)一般に外国人であることを理由に報酬を含む労働条件について差別的扱いをすることは禁止されています(※18)が、技人国などの就労系の在留資格の多くは、在留資格の取得基準としても②のような要件が明記されています。従って、在留資格申請の書類上及び実態の両面において、事業所内で同じ職務内容の日本人社員と同等以上の報酬条件とする必要があります。

【表5】在留資格「技人国」の専門性と業務の関連

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専門分野技術人文知識国際業務
専門分野の例理学、工学、農学、医学、歯学、薬学等法学、経済学、社会学、文学、哲学、教育学、心理学、史学、政治学、商学、経営学等翻訳、通訳、語学指導、宣伝、海外取引業務、デザイナー(服飾、建築)、商品開発等

外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする分野
専門性の基準次のいずれかに該当し、必要な技術又は知識を習得していること
大学卒業又は同等以上
日本の所定の専門学校等を卒業
10年以上の実務経験
情報処理資格(※19)(IT業務に従事する場合に限る)
次のいずれかに該当すること
関連業務での3年以上の実務経験
大学卒業(翻訳、通訳又は語学指導に係る業務に従事する場合に限る)
就労する業務技術者、開発者等経理、法務、人事、営業等翻訳、通訳、語学教師、広報、貿易、デザイナー等

技人国として外国人を採用する場合、採用前の外国人の状況(すでに在留中か否か、在留中の場合はその在留資格)によって、必要な在留資格関係の手続が違ってきます。以下、状況別に解説します。

ケース1:日本への入国前(海外に居住)の場合

採用する外国人が入国前の場合は、入国に必要な査証(VISA)の取得から手配する必要があります。そのため事業者はまず、事業所の管轄出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請(コラム①:表3の①)を行います。(以下、下図3「入国までの流れ」も参照ください。)

在留資格認定証明書が交付されたら、その原本を海外の外国人に送付し、当該外国人が在外日本大使館などへ査証(VISA)を申請します。そして査証(VISA)取得後、日本へ入国し在留資格を取得します。

この入国までの流れは、海外から外国人を招聘する場合の一般的な手続であり、他の在留資格の場合でも同様です。在留資格認定証明書交付申請の段階で、入国目的(=申請する在留資格、この場合は技人国)を指定します。

【図3】入国までの流れ

ケース2:既に日本に在留中の場合ー外国人留学生(大学卒業者等)

採用する外国人が日本の大学等に留学中であり、卒業後に採用する場合には、在留資格を留学から技人国へ変更する必要があります。

そのためには外国人本人がその住所地を管轄する出入国在留管理局において在留資格変更許可申請(コラム①:表3の②)を行います。但し、申請にあたっては雇用主となる事業者が作成・提出しなければならない書類も多く、また、日本での手続に慣れない外国人にとって手続自体が難しいこともあり、スムーズな認可取得のためには事業主が代行して(あるいは行政書士に委託して)申請するのが通常です。

ケース3:既に日本に在留中の場合ー転職者

採用する外国人が既に日本で就労中で、転職により採用する場合、まず、転職前の在留資格が技人国でなければ、在留資格変更許可申請を行って技人国への在留資格変更許可を得た後に採用する必要があります。(以下、ケース2の第2段落と同様。)

転職前の在留資格が既に技人国である場合は、基本的に転職に伴う在留資格に関して必要な手続はありません。つまり、転職前から保有する技人国の在留資格によって、転職後もその在留期限まで就労することが可能です。また、在留期間更新許可申請(コラム①:表3の③)を行って許可を得れば、既存の技人国在留資格の在留期限後も継続して就労することができます。但し、転職を伴う在留期間更新許可申請においては、新たな雇用先に関する書類や従事する職務内容を記した理由書などの提出が必要となり、その段階で包括的な審査が行われることに注意が必要です。審査の結果、在留期間の更新が却下される可能性もあり、そうなれば在留期限間近に急な採用(外国人にとっては再就職)活動を行うなど、困難な状況に陥りかねません。そのような事態を避けるために、採用前に就労資格証明書交付申請(コラム①:表3の⑦)を行なって就労資格証明書を取得しておくと安心です。就労資格証明書は、新たな雇用先での就労に問題ないことを出入国在留管理局が認定するもので、この証明書があれば在留期間の更新手続は簡易な書類提出で済ますことができ、期間更新時に却下されるリスクを大幅に軽減できます。尚、採用内定の時点で既存の技人国在留期限が3ヶ月以内の場合は、就労資格証明書を取得してもその後すぐに在留期間の更新手続を行わなければなりません。従って、就労資格証明書の取得ではなく、採用前に在留期間更新許可申請を行う方が効率的です(※20)

その他、採用後に以下の届出が必要です。

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居住資格の①と同様です。
上記ケース3のうち、在留資格が以前から技人国である場合(在留資格変更許可を経ずに採用した場合)は、外国人自身が所属(契約)機関に関する届出(コラム①:表3の⑩)を、採用日から14日以内に出入国在留管理局へ提出しなければなりません。失念すると罰則もあり、その後の申請手続で不利になる場合もあるので、事業者がサポートするのが良いでしょう(事業者が提出することもできます)。詳しくは、出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」を参照ください。

(※18)労働基準法3条に「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」と規定されており、罰則規定もあります。

(※19)法務大臣告示に定める各国の情報処理試験に合格又は資格を有している場合。

(※20)在留期間更新許可申請は、在留期間の満了日から概ね3ヶ月前から受付けられます(長期出張など特別な事情が認められる場合は、3ヶ月以上前でも個別に対応)。

(4)経営・管理

経営・管理は、事業の経営を行い又は管理に従事する活動を行う外国人の在留資格で、前者は企業の代表取締役、取締役、監査役などの役員活動や個人事業主としての活動、後者は部長、工場長、支店長などの管理者としての活動が該当します。経営・管理の在留資格を取得するには以下の要件を満たす必要があります(※21)

事業を営むための事業所が本邦に存在すること(事業開始前の場合は事業所として使用する施設が本邦に確保されていること)
事業の規模が次のいずれにも該当していること
イ.申請人以外に本邦に居住する常勤の職員一人以上が従事して営まれるものであること
ロ.資本金の額又は出資の総額(※22)が30百万円以上であること
申請人又は常勤職員のいずれかの者が相当程度の日本語能力を有する者であり、かつ、申請人が当該事業の経営又は管理を行う時において本邦に居住すること
申請人が次のいずれかに該当していること
イ.経営管理又は申請に係る事業の業務に関する分野の博士、修士若しくは専門職の学位
ロ.事業の経営又は管理について3年以上の職歴
申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること

採用に関する在留資格関係の手続については、「(3)技術・人文知識・国際業務」の「ケース1」「ケース2」「ケース3」を参照ください(「技人国」を「経営・管理」と読み替えてください)。加えて、採用後に以下の届出が必要です。

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居住資格の①と同様です。
上記ケース3のうち、在留資格が以前から経営・管理である場合(在留資格変更許可を経ずに採用した場合)は、外国人自身が所属(活動)機関に関する届出(コラム①:表3の⑩)を、採用日から14日以内に出入国在留管理局へ提出しなければなりません。失念すると罰則もあり、その後の申請手続で不利になる場合もあるので、事業者がサポートするのが良いでしょう(事業者が提出することもできます)。詳しくは、出入国在留管理庁「所属(活動)機関に関する届出」を参照ください。

(※21)2025年10月16日施行の改正により、一部要件の厳格化が実施されました。加えて、在留資格申請時に提出する事業計画書について、中小企業診断士や公認会計士等の確認も義務付けられるようになりました。

(※22)事業主体が個人の場合、事業所の確保や雇用する職員の給与(1年分)、設備投資など事業を営むために投下されている総額。

(5)高度専門職

高度専門職は、各分野における高度外国人材の受入れ促進を目的として創設された在留資格で、学歴・職歴・年収等の項目ごとに点数付けするポイント制を通じて、70点以上のポイントを有する外国人を「高度外国人材」とし、出入国在留管理上の優遇措置を与えるものです。

高度専門職には、第一段階の1号、及び高度外国人材として一定期間在留した者を対象に在留期間を無制限とし且つ活動制限も大きく緩和した2号があります(下表6ご参照)。高度専門職1号は、活動分野により1号イ、1号ロ、1号ハの3種類に分かれていますが、イ、ロ、ハの各活動範囲は他の在留資格の活動範囲と重なる部分が多く、例えば前述の技人国の活動範囲でポイントを満たせば1号ロに、経営・管理の活動範囲でポイントを満たせば1号ハに該当するといったような関係にあります。

【表6】高度専門職の区分と概要

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区分1号イ1号ロ1号ハ2号
活動分野高度学術研究活動高度専門技術活動高度経営・管理活動1号イ、ロ、ハの全て
研究、研究の指導、教育をする活動自然科学または人文科学の分野に属する知識・技術を要する活動事業の経営又は管理に従事する活動
重複する他の在留資格研究、教授、教育など技人国、企業内転勤、
法律・会計業務など
経営・管理など
取得要件ポイント計算表(※23)で70点以上同左に加え、高度専門人材として3年以上在留、
素行善良であること
など
併せて行える活動主たる活動に関連する事業を自ら経営する活動や、他の機関での研究等主たる活動に関連する事業を自ら経営する活動主たる活動に関連する事業を自ら経営する活動ほぼ全ての就労系在留資格の活動(主たる活動との関連にかかわらず)
その他の
優遇措置
①在留期間が5年(有期在留資格の中で最長、更新可)
②永住許可要件の緩和:通常、在留期間10年のところ3年で申請可(※24)
③親の帯同(※25)
④家事使用人の帯同:一定の要件の下で外国人の家事使用人の帯同が可能
⑤配偶者の就労:学歴・職歴等の要件なしに技人国などに該当する就労が可能(※26)
⑥入国・在留手続の優先処理(※27)
①在留期間が無期限
②〜⑥は同左

高度専門職1号の外国人を採用する場合の在留資格関係の手続については、概ね技人国や経営・管理と同様ですので「(3)技術・人文知識・国際業務」の「ケース1」「ケース2」「ケース3」を参照ください(「技人国」を「高度専門職1号」と読み替えてください)。但し、ケース3において転職前後で在留資格に変更がない場合、技人国や経営・管理では基本的に在留資格に関する手続は不要でしたが、高度専門職1号では在留資格変更許可申請(コラム①:表3の②)を行う必要があります。高度専門職1号の場合、指定書に就労可能な会社等が指定されており、指定外での就労が制限されているためです。従って、高度専門職1号の外国人を転職によって採用する場合は、常に在留資格変更許可申請を行って新しい在留カードと指定書の取得を済ませておく必要があります。

高度専門職2号の外国人に関しては、採用前に必要な在留資格関係の手続はありません。

また、採用後に以下の届出が必要です。

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居住資格の①と同様です。
高度専門職2号の場合は、外国人自身が、所属(契約)機関に関する届出、又は所属(活動)機関に関する届出(コラム①:表3の⑩)を、採用日から14日以内に出入国在留管理局へ提出しなければなりません。失念すると罰則もあり、その後の申請手続で不利になる場合もあるので、事業者がサポートするのが良いでしょう(事業者が提出することもできます)。詳しくは、出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出・所属機関による届出Q&A」を参照ください。

(※23)ポイント計算表は出入国在留管理庁「ポイント評価の仕組みは?」などを参照ください。

(※24)ポイント計算表で80点以上の者は1年で申請可。因みに、この永住許可要件の緩和は、高度専門職でない者でも永住許可申請時の3年前(1年前)から70点(80点)以上のポイントがあることを疎明できれば適用されます。

(※25)他の就労資格では配偶者や子を帯同するための在留資格として「家族滞在」がありますが、親の帯同は認められていません。高度専門職の場合、一定の要件の下で親の帯同が認められています。

(※26)高度専門職の配偶者に対して、在留資格「特定活動高度専門職外国人就労する配偶者)」の許可を受けることで技人国などに該当する活動が認められます。

(※27)在留資格認定証明書交付申請は受理から10日以内(目安)、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請は受理から5日以内(目安)で処理するとしています。

(6)技能実習

技能実習は、前出図1の通り、単独の在留資格としては最も就労者の多い資格になっています。しかしながら技能実習制度は、基本的には開発途上国への人材支援を目的とするものであり、事業者が単純に労働力を調達するための制度ではありません。また、その仕組みは複雑であり、ここではそのごく一部の概要を紹介することしかできません。技能実習生の受入れを検討する場合は、信頼できる監理団体(詳細後述)にご相談されることをお勧めします。

尚、「技能実習制度」は2024年6月に公布された改正入管法等によって「育成就労制度」に置き換わることが決まっています(※28)。(育成就労制度については、後述コラム③にて解説します。)

  • 技能実習は、開発途上国から外国人を一定期間受け入れ、OJTを通じて技能移転を推進し、国際貢献を図ることを目的として設けられた在留資格です。従って、単なる労働力として使用する扱いは認められません(※29)
  • 技能実習生を受入れ方法には、「企業単独型」と「団体監理型」の2種類があります。前者は、企業が海外現地法人や取引先の社員を受入れて技能実習を行う方式で、大企業などが限定的に行っているものであり、説明は省略します(※30)
  • 団体監理型は、商工会議所や事業協同組合などの非営利団体が許可を得て監理団体となり、その監理団体が一括して技能実習生を受け入れ、傘下の実習実施者(中小企業、個人事業主等)において技能実習を行う方式です。
  • 団体監理型の役割分担としては、実習生の送出し国において、日本との二国間取決めに基づいて現地政府が認定した「送出機関」が実習候補者の選考や派遣業務等に携わり、日本においては、監理団体が技能実習生の受入れをサポートし、実習実施者が実習生と雇用契約を結んで技能実習を行います(下図4)。

【図4】団体監理型(※31)

  • 実習実施者は、所属する監理団体を窓口として、相手国の送出機関を通じて技能実習生と面談し採用します。技能実習生であっても労働基準法や最低賃金法などが適用されるので、賃金水準、労働時間、休日・休憩や割増賃金などの規定に違反すると罰則の対象となるので注意が必要です。
  • 技能実習には、1号(1年目)、2号(2・3年目)、3号(4・5年目)の3段階があります(※32)。1号の場合、就労できる職種に制限はないものの、実習生の就労期間が実質10ヶ月余りと短いため(※33)、2号以降への継続を前提とするのが一般的です。1号から2号へ、さらに2号から3号へと移行するには、職種や作業内容に制約(「移行対象職種」といいます)があるほか、試験の合格など、次段階へ移行するための要件を満たす必要があります。つまり、2号以降の継続就労を狙うためには移行対象職種(※34)である必要があります。
  • 実習実施者になろうとする者は、まず信頼のおける監理団体に加入して相談することから開始します。次に、技能実習の概要が決まったら「技能実習計画」を作成し、実習開始予定日(実習生の入国日)の6ヶ月〜4ヶ月前までに外国人技能実習機構へ提出して認定申請を行います(※35)。また、技能実習計画の準備と並行して実習(候補)生の選定を開始し、実習(内定)者は現地において日本語学校等における研修を開始します(※36)
  • 実習実施者は、技能実習計画の作成、実習生の採用などにおいて監理団体の指導、サポートを受けるだけでなく、実習期間中も継続的に指導、監査を受けることになるため、監理団体の役割は大変重要です。
  • 実習実施者は、技能実習計画の実施のほか、技能実習法(※37)に定められた報告、届出等を行う必要があります。また、問題があった場合には、外国人技能実習機構による実地検査や、監督官庁による改善命令、実習認定の取消といった規定もあります。
  • 実習実施者が受入れる技能実習生の人数には、常勤職員の人数に応じた上限があります。技能実習生は、実習実施者の倒産等の例外を除き、原則、転籍(転職)はできません(2号から3号への移行時のみ転籍可能)。
  • その他、技能実習についての詳細は、出入国在留管理庁「外国人技能実習制度について」公益財団法人国際人材協力機構「外国人技能実習制度とは」などを参照ください。
  • 尚、技能実習生についても、その採用時及び離職時に外国人雇用状況届出書を事業所を管轄する公共職業安定所へ提出しなければなりません。(居住資格の①と同様です。)

(※28)改正入管法等の施行は2027年4月の予定ですが、技能実習生の受け入れは、その施行日から3ヶ月が経過するまでに技能実習を開始するものまでが対象とされています。

(※29)技能実習法3条2項に「技能実習は、労働力の受給の調整の手段として行われてはならない。」と規定されています。

(※30)出入国在留管理庁「在留外国人統計」によれば、技能実習生の 98.4% が団体監理型、1.6% が企業単独型であり、団体監理型が圧倒的多数となっています(2024年12月時点

(※31)公益財団法人国際人材協力機構「外国人技能実習制度とは」から抜粋。

(※32)各号はさらに企業単独型の「イ」と団体監理型の「ロ」に分かれ、全部で6種類の技能実習資格があります(1号イ、2号ロなど)。

(※33)1号対象者の場合、最初に監理団体において日本語、生活一般知識、法律関係などの座学講習が義務付けられており、これに入国後最低1ヶ月はかけることになります。

(※34)移行対象職種については公益財団法人国際人材協力機構「技能実習制度の職種・作業について」をご参照。

(※35)技能実習計画が認定されると外国人技能実習機構から認定通知書が交付されますが、この認定通知書は技能実習生が入国ビザを取得するための手続で必要になります。従って、技能実習計画は余裕を持って作成し、申請する必要があります。

(※36)従って、実習生の内定から入国までも半年ほど見ておく必要があります。

(※37)正式名称は、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」です。

(7)特定技能

特定技能は、2019年4月に創設された比較的新しい在留資格ですが、前出図1の通り、創設以来5年半で20万人以上の資格者を有するなど急速に普及してきました。特定技能が創設されるまでの就労資格は、「特定分野の高度人材やスペシャリストの受入れ」か、「国際貢献のための技能実習生の受入れ」のいずれかを目的とするものでした。それに対して特定技能は、「人手不足が深刻な産業分野への即戦力となる外国人の受入れ」を目的とする点に特徴があります。

特定技能は人材確保を目的とする一方、外国人労働者を安価な労働力として酷使したり、ひいては日本の労働市場や社会環境に悪影響を及ぼすことがないよう、厳しい要件が設けられています。そのため、その仕組みは複雑であり、ここではそのごく一部の概要を紹介することしかできません。特定技能外国人の受入れを検討される場合は、まず、信頼できる登録支援機関(詳細後述)などにご相談されることをお勧めします。

  • 特定技能外国人を受入れることができる事業所は、前提として人手不足が深刻とされる下表7の16の特定産業分野に限られます。さらに表7の各分野ごとに管轄省庁が対象職種や施設要件などを規定しているので、詳細は各省庁のHPなどでご確認ください(※38)

【表7】特定技能の特定産業分野(※39)

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特定産業分野従事する業務2号管轄省庁
1.介護分野身体介護等(入浴、食事、排せつの介助等)及び付随する支援業務厚生労働省
2.ビルクリーニング分野建築物内部の清掃
3.工業製品製造業分野機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理等経済産業省
4.建設分野土木、建築、ライフライン・設備国土交通省
5.造船・舶用工業分野造船、舶用機械、舶用電気電子機器
6.自動車整備分野自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備等
7.航空分野空港グランドハンドリング、航空機整備
8.宿泊分野宿泊設備におけるフロント、企画・広報、接客等の宿泊サービス
9.自動車運送業分野トラック運転者、タクシー運転者、バス運転者
10.鉄道分野軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員
11.農業分野耕種農業全般、畜産農業全般農林水産省
12.漁業分野漁業、養殖業
13.飲食料品製造業分野飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生の確保
14.外食業分野外食業全般(調理、接客、店舗管理)
15.林業分野育林、素材生産等
16.木材産業分野製材業、合板製造業等に係る木材の加工等
  • 特定技能には、1号と2号があります。1号は「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を要する業務に従事する外国人の在留資格で、「相当程度の・・・」の証明として、特定産業分野ごとに技能試験の合格が求められ、一定の日本語能力(※40)などの条件も満たす必要があります。代替として、特定産業分野に関連する職種の技能実習2号を良好に修了した者は、技能試験や日本語試験が免除される規定があります(※41)。1号での在留期間は1年以内ごと、通算でも最長5年、家族の帯同は原則不可です。
  • 特定技能2号は、「熟練した技能」を要する業務に従事する外国人の在留資格で、「熟練した技能」を技能試験等で証明する必要があります。また、基準を満たせば1号を経ずに2号の在留資格を取得することも可能です。2号の在留期間は、6ヶ月、1年又は3年で、通算期間に上限はなく、家族の帯同も可能です。また、要件を満たせば永住許可申請も可能です。
  • 特定技能外国人を採用するには、事業者(「受入れ機関」、企業、個人事業主等)が直接あるいはあっせん機関(※42)を通じて、国内外から採用します。また、受入れ機関は、採用後も出入国在留管理局へ各種届出を行い、その指導を受けるほか、検査、改善命令等を受けることがあります。
  • 1号特定技能外国人を採用する場合、「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、当該1号特定技能外国人の在留資格申請等に併せて出入国在留管理局へ提出しなければなりません。当該支援計画は、1号特定技能外国人に対する職業生活、日常生活又は社会生活面の支援内容・方法をまとめたもので、省令で定められた10項目(下表8)をカバーし、支援責任者及び支援担当者を届出るものです。(2号特定技能外国人に対しては支援義務はありません。)

【表8】1号特定技能外国人支援計画の概要

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項目具体例
1.事前ガイダンス在留資格申請等の前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等について、対面・テレビ電話等で説明
2.出入国する際の送迎入国時に空港等と事業所又は住居への送迎
帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行
3.住居確保・生活に必要な契約支援連帯保証人になる、住居を提供するなど
銀行口座等の開設、携帯電話やライフラインの契約等を案内、各手続の補助
4.生活オリエンテーション円滑に社会生活を営めるよう日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対策等の説明
5.公的手続等への同行必要に応じ社会保険・税などの手続の同行、書類作成の補助
6.日本語学習の機会の提供日本語教室等の入学案内、日本語学習教材の情報提供等
7.相談・苦情への対応職場や生活上の相談・苦情等について、外国人が十分理解できる言語での対応、内容に応じた助言、指導等
8.日本人との交流促進自治会等の地域住民との交流の場や、地域のお祭りなどの行事の案内や、参加の補助等
9.転職支援(人員整理等の場合)受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや、推薦状の作成等に加え、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供
10.定期的な面談・行政機関への通報支援責任者等が外国人及びその上司等と定期的(3ヶ月に1回以上)に面談し、労働基準法違反等があれば通報
  • 受入れ機関は、支援計画の全部又は一部の実施を、「登録支援機関」へ委託することができます。登録支援機関とは、出入国在留管理局へ登録した支援計画の実施を行う個人又は団体です(※43)。1号特定技能外国人の採用を検討する事業者が表8の支援項目全てを自ら実施するのはハードルが高く、登録支援機関と支援委託契約を結んで対応するのが現実的な選択肢となります。
  • 特定技能外国人は、同一の業務区分内、又は試験により技能水準の共通性が確認されている業務区分間であれば転職も可能です。
  • その他、特定技能に関する詳細は、出入国在留管理庁「特定技能制度」公益財団法人国際人材協力機構「在留資格『特定技能』とは」などを参照ください。
  • 尚、特定技能外国人についても、その採用時及び離職時に外国人雇用状況届出書を事業所を管轄する公共職業安定所へ提出しなければなりません。(居住資格の①と同様です。)

(※38)特定技能外国人の受入れ機関となるには、特定産業分野ごとに管轄省庁が運営する「協議会」に加入する必要があり、その入会手続を通じて受入れ機関としての要件を満たすかどうかを確認することができます。例えば、経済産業省の工業製品製造業分野の場合は製造業特定技能外国人材受入れ協議会・連絡会、厚生労働省の介護分野は介護分野における特定技能協議会、国土交通省の建設分野は建設技能人材機構、農林水産省の飲食料品製造業及び外食分野は食品産業特定技能協議会をご覧ください。

(※39)出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」をもとに作成(2025年10月時点)。1号は表中すべての対象分野、2号は○印のある11分野のみが対象分野。

(※40)日本語能力試験 N4レベルなどが要件です(タクシー運転者、バス運転者など一部は N3レベルが必要です)。

(※41)タクシー運転者、バス運転者など一部は、別途、日本語能力試験 が必要になる場合があります。

(※42後述する登録支援機関であって職業紹介事業の許可を持っている業者など。登録支援機関でも職業紹介事業の許可のない事業者は特定技能外国人を紹介することはできません。(監理団体が技能実習生を紹介できるのとは違いがあります。)

(※43)登録支援機関は、出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」にて公開されています。

コラム③:育成就労制度について

技能実習制度は、開発途上国の人材育成を目的として運用されてきましたが、国内の人手不足が深刻化する中で技能実習生の労働力としての重要性が高まってきた一方で、技能実習に纏わる人権侵害や労働法違反などの問題も顕在化してきました。こうした状況を踏まえ、有識者会議による議論等を経て、2024年6月に、技能実習制度に代わる育成就労制度を新設する改正法が制定されました。育成就労制度の施行は2027年4月に予定されており、関連する省令等の公表はこれからですが、概要としては以下の通りです。

  • 技能実習制度では、実習終了後は帰国して日本で取得した技能を母国で活かすのが基本でしたが、育成就労制度では原則3年間の育成就労期間の後、特定技能1号の資格を取得して引続き日本の特定産業分野で就業を続けるのが基本となります。
  • つまり、育成就労制度は、特定技能制度につながる人材を育成するための制度といえます。また、育成就労制度では一定の要件の下で育成就労外国人本人の希望に基づく転籍も認められます。
  • 育成就労外国人の受入れ機関(事業者)は「育成就労計画」を作成し、外国人育成就労機構(外国人技能実習機構から改組予定)の認定を受ける必要があります。また、受入れ機関は監理支援機関(技能実習制度の監理団体に相当)の指導、監督を受けることになります。育成就労制度の監理支援機関になるには、技能実習制度の監理団体であっても、改めて許可を受ける必要があります(要件も厳しくなります)。
  • 育成就労制度の受入れ対象分野(「育成就労産業分野」)は、特定技能制度の特定産業分野のうち就労を通じて技能を習得させることが相当なものとされていますが、具体的には施行日までに公表される予定です。
  • 育成就労から特定技能1号へ移行する際には、一定の技能試験及び日本語能力試験の合格が要件となります(詳細は公表待ち)。移行に必要な技能試験等に不合格となった場合には、最長1年の在留継続が認められる予定です。
  • 詳しくは、出入国在留管理庁「育成就労制度」公益財団法人国際人材協力機構「育成就労制度とは」などを参照ください。

3. 外国人労働者への社会保険等の適用

本記事の冒頭でも述べた通り、これまで解説してきた外国人労働者に関しては、労働保険、社会保険、所得税、住民税などにつき基本的に日本人と同様の扱いになります。日本で生活し就労する以上、税金の負担は当然としても、社会保険料などが給与から天引きされることに抵抗を感じる外国人労働者も想定されます。そこで、給与から保険料が天引きされる雇用保険、健康保険(40歳以上は介護保険も)及び厚生年金保険について、外国人労働者の目線でその意義を補足しておきます(※44)

(※44)以下、各保険の適用事業を前提として解説します。適用事業かどうかは「労働保険の適用基準」「社会保険の適用基準」をご参照。

(1)雇用保険

雇用保険は、失業時の生活費を補償する基本手当などを受けることができるもので、一定の被保険者期間(※45)を満たせば外国人労働者も給付の対象となります。自主的な転職が制限される技能実習生でも、実習実施者の都合により解雇された場合などに、他の技能実習者へ転籍するまでの間について給付の対象となります。

(※45)通常、離職日以前の2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月以上、倒産や解雇など特別な場合は、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば基本手当の支給対象となります。

(2)健康保険(介護保険)

健康保険は、業務外の事由による病気や怪我の医療費、或いは出産費用などの負担軽減を受けることができるもので、外国人労働者にとっても同様にメリットのあるものです。また、40歳以上(65歳未満)の者は介護保険の保険料も負担しなければなりません。介護保険に関しては、外国人労働者自身が保険給付を受けることは想定しずらいかもしれませんが、日本に居住する者の義務として対象者には受け入れてもらうしかありません。

(3)厚生年金保険

厚生年金保険は、主に65歳以上に老齢年金を受給できるもので、その受給資格を取得するには基本的に10年以上保険料を納める必要があります。一方、比較的短期間の就労を予定する外国人労働者が保険料の”掛捨て”にならないよう、脱退一時金を受けることが可能になっています。脱退一時金は、厚生年金保険の被保険者期間が6ヶ月以上ある外国人が、日本から出国後2年以内に請求した場合に、自身が負担した保険料(最大5年分)の大部分を受取ることができるものです。詳しくは、日本年金機構「脱退一時金を請求する方の手続き」などを参照ください。

以上