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商業登記関係のオンラインサービス

最新更新日:2026年9月14日

この記事のキーワード

登記情報提供サービス   登記・供託オンライン申請システム

本記事では、事業者が利用できる主な商業登記関係のオンラインサービスについて解説します。メインは、「登記・供託オンライン申請システム」ですが、これをフルに使いこなすには、電子証明書の取得や独自ソフト「申請用総合ソフト」のインストール(現状、OS は Windows のみ対応)など多少手間がかかる上、システムの操作や(手続によっては)窓口との連携などに慣れが必要な部分があり、若干ハードルが高いと言わざるを得ません。一方、Webブラウザベースで利用できる「かんたん登記・供託申請」というサービスもあり、各自の状況に合わせて利用するサービスを選択するのが最善のアプローチだと思います。本記事は、そのような選択の一助となることを目的としています。

早速ですが、下表1が商業登記関係の主なオンラインサービスの一覧です。

【表1】商業登記関係の主なオンラインサービス(※1)

スクロールできます
システム/サービス名サービス内容利用するための要件
登記情報提供サービス・登記情報の閲覧、ダウンロード本サービスへの利用登録
登記・供託オンライン申請システム
かんたん登記・供託申請・商号調査本サービスへの利用登録
・登記事項証明書の交付請求同上
・印鑑証明書の交付請求
・役員の住所氏名変更登記申請
以上に加え、
・電子証明書の取得
・ICカードリーダの用意
 (ICカード形式の電子証明書の呼び込みに利用)
申請用総合ソフト・登記事項証明書の交付請求
・印鑑証明書の交付請求
・各種登記申請
・印鑑の届出(登記申請と同時)
・定款の認証
など
・本サービスへの利用登録
・申請用総合ソフトをインストール
 (現状、OSはWindowsのみに対応)
・電子証明書の取得
・ICカードリーダの用意
 (ICカード形式の電子証明書の呼び込みに利用)
・PDF変換ソフトの用意
・PDF署名プラグインをインストール
 (PDFファイルに電子署名を付与するソフト)

(※1)「登記情報提供サービス」、「登記・供託オンライン申請システム」は、商業登記に加え不動産登記等もカバーしていますが、ここでは商業登記関係のサービスのみを紹介しています。

以下、各サービスのポイントを述べていきます。

登記情報提供サービス

これは、利用登録のみで商業登記簿等の閲覧やダウンロードができるサービスです。登記所を訪問せずに済む上、登記所窓口で手続するより安く登記情報が得られます。ダウンロードした情報は、登記事項証明書としては使えませんが、内容は同じものが得られます。(行政機関等へのオンライン申請等の際に、登記事項証明書の代わりに本サービスが提供する「照会番号」が使える場合もあります。)利用登録には、継続利用のための登録利用と、都度利用者登録を行う一時利用の2通りがあり、登録利用を選択する場合は審査等のため一定の期間(個人は1週間程、法人は1ヶ月程)と登録費用(個人は300円、法人は740円)がかかります。商業登記情報のほか、不動産登記情報等もカバーしています。

登記・供託オンライン申請システム

商業登記のほか、不動産登記等の手続を幅広くカバーしています。利用するサービスによって利用要件に違いがあり、全てのサービスを利用するには、登記・供託オンライン申請システムの提供する「申請用総合ソフト」をインストールした上、表1の右下にある要件を満たさなければなりません。その上で、システムの操作やオフライン手続との連携(全てが本システム上で済む訳ではなく、窓口訪問、郵送やメールなどの作業との組み合わせが派生するのが普通です)などに慣れが必要であり、利用頻度の低い一般の事業者にとってはハードルが高いと思われます。一般の事業者としては、Webブラウザベースで利用できる「かんたん登記・供託申請」の利用から始めるのが良いのではないでしょうか。以下、主な手続について解説します。

1. 商号調査

登記・供託オンライン申請システムへの利用登録だけで、登記されている商号の検索ができるサービスです。会社設立時などに、同一住所の同一商号などをチェックするために利用できますが、そのためだけなら登録なしで利用できる国税庁「法人番号公表サイト」も利用できます。

2. 登記事項証明書、印鑑証明書等の交付請求

登記事項証明書だけの交付請求であれば、登記・供託オンライン申請システムへの利用登録だけで利用可能です。印鑑証明書も必要であれば、加えて電子証明書(※2)を取得しそれをシステムに呼び込むための準備が必要です。また、役員関係の登記については、かんたん登記・供託申請では住所氏名変更のみ手続可能です(新任、辞任、重任などの手続には、申請用総合ソフトの利用が必要です)。

(※2)電子証明書とは、マイナンバーカード用電子証明書などのことですが、詳しくは別記事「行政のオンライン手続について」の「⑦電子認証局について(補足説明)」をご参照。

3. 全ての手続

登記・供託オンライン申請システムでできる手続の全てをカバーする場合です。申請書や添付書類に電子署名して提出するため、PDF署名用ソフトの取得などが要件になります。表1の利用要件に特に抵抗がない方は、利用を考えても良いかもしれません。(但し、商業登記の申請は一般的にそれほど頻繁に発生する訳ではないので、「全ての手続」が必要かどうかは考慮に値します。)

よくあるケースとして、会社の設立時に電子定款の採用によって印紙税40,000円をセーブしたい場合がありますが、そのためには基本的にこのパターンで対応する必要があります。合同会社の設立の場合は、定款をWORD等の文書作成ソフトで作成し、PDF化して電子署名を付与し、設立登記申請書や他の添付書類等と共に、登記・供託オンライン申請システムで提出します(比較的容易)。株式会社の場合は、以上に加え、定款の認証手続が必要で、それには電子定款を本システムで公証人へ送付するだけでなく、内容の事前確認(FAX、メール又は持参)、面会による認証手続等を公証役場と調整して進める必要があります。(認証手続はテレビ電話でも可能ですが、そのための調整が必要です。)

以上、商業登記関係のオンラインサービスについて、概要を述べてまいりましたが、基本はあくまで書面、窓口での手続としつつも、各自の状況に合わせてオンラインサービスを取り入れ、手間とコストの削減を図っていくのが良いのではないでしょうか。

以上