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労働保険・社会保険の適用基準

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社会保険 労働保険 健康保険 介護保険 厚生年金保険 労災保険 雇用保険

暫定任意適用事業(労働保険の) 強制適用事業所(社会保険の) 任意適用事業所(社会保険の) 個人事業の適用業種(社会保険の)

日雇労働被保険者(雇用保険の) 短期雇用特例被保険者(雇用保険の) 高年齢被保険者(雇用保険の) 一般被保険者(雇用保険の)

雇用保険の適用除外 マルチジョブホルダー(雇用保険の)  社会保険の適用除外

一般被保険者(健康保険の) 日雇特例被保険者(健康保険の) 任意継続被保険者(健康保険の) 特例退職被保険者(健康保険の)

当然被保険者(厚生年金保険の) 任意単独被保険者(厚生年金保険の) 高齢任意加入被保険者(厚生年金保険の)

通常の労働者(社会保険の) 短時間就労者(社会保険の) 短時間労働者(社会保険の) 特定4分の3未満短時間労働者(社会保険の) その他4分の3未満短時間労働者(社会保険の)

特定労働者(社会保険の) 特定適用事業所(社会保険の)

人を雇用し始めたら、労働保険・社会保険の適用の有無について確認し、必要な手続を行わなければなりません。本記事では、まず、労働保険と社会保険の概要説明から始め、雇用主(会社、個人事業主)として各保険への加入が義務となる基準、及び対象となる労働者の基準について解説していきます。特に、昨今、健康保険・厚生年金保険に関しては、パート等の所謂、短期労働者への適用を拡大する改革が進行中で、小規模事業者にも大きな影響が予想されています。本記事ではこうした影響についても、専門家でなくとも理解できるよう、フローチャートや用語の解説に工夫を凝らしたつもりです。

尚、適用基準を満たした場合の各保険への加入手続については、別記事にてカバーします。

➖本記事の章建て➖

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労働保険・社会保険とは
労働者保険の適用基準
労働保険の適用基準
1.事業としての基準
2.労働者ごとの基準
社会保険の適用基準
1.事業所としての基準
2.労働者ごとの基準

 

労働保険・社会保険とは

日本では、国民の生活保障を目的に社会保険制度が採用されており、全体像は下図1のような構成になっています。この全体の制度が広い意味で社会保険と呼ばれています。一方、労働者が加入する健康保険、介護保険、厚生年金保険をまとめて社会保険と呼ぶこともあり、こちらは狭義の社会保険となります。また、労働者に関する保険には、狭義の社会保険以外に労災保険と雇用保険があり、これらを労働保険と呼んでいます。本記事では、事業者が労働者を雇用する場合に考慮すべき狭義の社会保険(以下、単に社会保険と呼びます)と労働保険を対象にして解説していきます(図1の赤い部分)。

【図1】日本の社会保険制度

まず、各労働者保険の概要について、下表1にまとめましたのでご参考ください。表1の被保険者については、正確には次章以降で解説していきます。

【表1】労働者保険の概要

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労働者保険保険者(※1)被保険者概要
健康保険全国健康保険協会、または健康保険組合(※2)事業者に雇用される者(詳細は後述「健康保険の被保険者」)労働者(及びその被扶養者)の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡、出産に関して保険給付を行う
(業務災害は労災保険にてカバー)
介護保険市町村及び特別区(東京23区)(※3)保険者の区域内に居住する65歳以上の者(「第1号被保険者」)
保険者の区域内に居住する40歳以上65歳未満の公的医療保険加入者(「第2号被保険者」)
要介護認定又は要支援認定を受けた被保険者に対して保険給付を行う
厚生年金保険政府(※4)事業者に雇用される者(詳細は後述「厚生年金保険の被保険者」)労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行う
労災保険政府(※5)事業者に雇用される者(詳細は後述「労災保険の適用労働者」)(※6)労働者の、業務上又は通勤に伴う事由による負傷、疾病などに関して保険給付を行う
雇用保険政府(※7)事業者に雇用される者(詳細は後述「雇用保険の被保険者」)労働者が失業した場合などに、生活支援や求職支援などを目的に保険給付を行う

(※1)保険事業の経営主体として保険給付等を行うものをいいます。

(※2)健康保険組合は、一般に大企業が単独で設立するものと、複数の事業主が(業種毎などで)共同して設立するものがあります。一方、全国健康保険協会は、健康保険組合の組合員でない被保険者の保険を管掌しています。後者は「協会けんぽ」の通称で知られており、小規模事業、中小企業の従業員の多くが加入しており、当サイトの対象である事業者も、まずはほぼ協会けんぽに加入することになります。尚、労働者以外が加入する国民健康保険などを含めた公的医療保険制度の全体像については、別記事「公的医療保険の種類」をご参照ください。

(※3)保険者は市町村及び特別区ですが、費用負担を含め国、都道府県及び公的医療保険者が重層的に支える仕組みで運営されています。

(※4)公務員や私立学校教職員以外の被保険者(いわゆる会社員などの「第1号厚生年金被保険者」)の厚生年金保険は、厚生労働省が実施機関として責任を負っています。但し、その事務のほとんどは日本年金機構が厚生労働省から委任を受けて行っています。厚生年金保険は、民間事業者や公務員などの被用者が加入する年金制度ですが、全国民が加入する国民年金も含めた公的年金制度の全体像については、別記事「公的年金制度の種類」をご参照ください。

(※5)厚生労働省労働基準局で労災保険制度全体の管理運営を行うほか、地方出先機関として、保険の適用、保険料の徴収事務などを行う都道府県労働局、保険給付の事務を行う労働基準監督署が置かれています。

(※6)労災保険では、保険の対象者を被保険者ではなく適用労働者と呼びます。

(※7)厚生労働省職業安定局が雇用保険全体の管理運営を行うほか、地方出先機関として、保険料の徴収事務などを行う都道府県労働局、保険の適用、保険給付の事務を行う公共職業安定所があります。

労働者保険についての概要は以上の通りですが、次に、各保険制度への加入が必要となる適用基準について説明していきます。適用基準には、事業(所)としての基準と労働者としての基準があり、それぞれ該当する場合に事業(所)、労働者ごとに手続が必要です(但し、労災保険は全労働者が対象となるため労働者ごとの手続はありません)。尚、介護保険は、健康保険に加入する40歳以上65歳未満の労働者に自動的に適用されるので、事業者として適用基準の判断が必要なのは、健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険の4つになります。

労働者保険の適用基準

ここから4種類の労働者保険の適用基準についての説明に入ります。適用基準には、事業(所)(※8)としての基準と労働者ごとの基準があり、労働保険、社会保険の別にそれぞれの基準について解説していきます。

(※8)労働保険、社会保険とも、支店や営業所など個々の事業所ごとに適用されるのが原則で、例外的に(手続を経て)本店などで一括して管理することができるようになっています。但し、法律上は労働保険の対象を適用事業、社会保険の対象を適用事業所と呼ぶことになっているので、本記事でもその呼び名に従っています。

労働保険の適用基準

1.事業としての基準

労災保険、雇用保険では、労働者を1人でも使用すれば、原則、事業として保険の適用対象となり、保険関係の成立手続を行う必要があります。例外は暫定任意適用事業に該当する場合ですが、具体的には下図2のフローチャート及びその下の各項目の説明に従って、自身の事業が適用対象かどうかご判断ください。尚、図2のフローチャートは労災保険と雇用保険で共通ですが、各項目の内容には違いのある場合がありますので、ご留意下さい。

【図2】労働保険の適用基準

以下、図2の各項目について解説します。

(1)労働者を使用

ここでの労働者には、所謂、正社員だけでなく、契約社員、アルバイト、パート、臨時雇い、日雇労働者、外国人労働者も含みます。

(2)暫定任意適用事業に該当

暫定任意適用事業とは、労災保険、雇用保険の適用が当分の間、任意とされている事業です。労災保険、雇用保険で対象事業に若干の違いがあります。

労災保険の暫定任意適用事業

次表2の要件を満たす個人事業の農林水産業が該当します(つまり法人の場合は業種に関わらず全て適用事業です)。

【表2】労災保険の暫定任意適用事業

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事業の種類暫定任意適用事業となる条件
農業常時使用労働者数5人未満、且つ、
特定危険有害作業(※9)を行う事業ではない
事業主が特別加入(※10)していない
水産業総トン数5トン未満の漁船、又は河川、湖沼、特定水面(※11)で総業する漁船で操業
林業常時労働者を使用せず、且つ、年間使用延労働者数が300人未満

(※9)毒劇薬や有害ガス、重量物の扱い、著しい振動や騒音、暑熱または寒冷下での作業など、旧労働省告示第35号別表第1に規定する作業

(※10)中小事業主など、労働者以外でも業務実態等を考慮して一定の要件の下で労災保険に加入することを認めている制度

(※11)陸奥湾、富山湾、若狭湾、東京湾、伊勢湾、大阪湾、有明海、八代海、大村湾、鹿児島湾の水面(旧労働省告示120号別表第2)

雇用保険の暫定任意適用事業

次の2つの条件を両方とも満たす個人事業が該当します。

  • 農林水産業(船員が雇用される事業を除く)であること
  • 常時5人未満(※12)の労働者を使用すること

(※12)「5人」のカウントにあたっては、雇用保険の被保険者(詳細後述)に該当しない労働者も含めてカウントします。但し、被保険者に該当しない労働者のみ使用する事業主の事業については、人数にかかわらず適用事業として取り扱う必要はありません。

労災保険、雇用保険とも個人事業の農林水産業が任意適用の対象である点は共通ですが、細かい点で違いがあることにご注意下さい。例えば、個人事業の林業では、常時1人でも労働者を使用していれば労災保険の強制適用となりますが、雇用保険は任意適用になります。

(3)労働者又は事業主の意思で任意加入

暫定任意適用事業に該当する場合、労災保険、雇用保険に加入する義務はありませんが、任意で加入することは可能です。特に、基準以上(過半数又は2分の1以上)の労働者が希望する場合には事業主は加入を申請しなければなりません。

労災保険の任意適用
  • 事業主が希望するときは加入申請可能(労働者の同意は不要(労働者に保険料の負担ないため)
  • 労働者の過半数が希望するときは、事業主は加入申請しなければならない
雇用保険の任意適用
  • 事業主が希望するときは、労働者の2分の1以上の同意を前提(労働者に保険料の負担あるため)に加入申請可能
  • 労働者の2分の1以上が希望するときは、事業主は加入申請しなければならない

2.労働者ごとの基準

労働者ごとの適用基準については、労災保険と雇用保険で大きな違いがあります。まず、労災保険の場合は、適用事業の労働者はその勤務形態や意思に関わらず原則すべてが適用労働者となります(労働者ごとの資格取得手続はなく、また労働者には保険料の負担もありません)。一方、雇用保険の場合は、一定の勤務条件を満たす労働者が被保険者となり、また、被保険者はその勤務条件等によって幾つかの種類に分かれます(被保険者は資格取得手続も必要です)。こうした違いにより、労災保険では、対象となる労働者は(被保険者ではなく)適用労働者と呼んでいます。

労災保険の適用労働者

上述の通り、労災保険の場合、原則すべてが適用労働者となります。所謂、正社員だけでなく、契約社員、アルバイト、パート、臨時雇い、日雇労働者、外国人労働者(不法就労者を含む)も含みます。但し、個人事業主、法人の役員(※13)、個人事業主の同居の家族(※14)は、一般に労災保険の適用外になります。また、派遣労働者は派遣元事業において適用労働者になります。

(※13)業務執行権がなく、実質的に労働者性がある場合は適用労働者となる場合があります。曖昧な場合は労働基準監督署へ相談すると良いでしょう。

(※14)同居の家族と共に一般従業員を使用しており、就労形態が一般従業員と同様であれば家族従事者であっても適用労働者となる場合があります。

雇用保険の被保険者

雇用保険法における被保険者は、(労災保険と違って)細かい規定、区分があります。

まず、被保険者には、①一般被保険者、②高年齢被保険者、③短期雇用特例被保険者、④日雇労働被保険者の4種類の区分があり、そのいずれにも該当しないものが、被保険者ではないことになります。被保険者に該当するかどうかは、下図3のフローチャート及びその下の各項目の説明をご覧ください。因みに、図3のフローチャートでは、被保険者の種類として、日雇労働→短期雇用特例→高年齢→一般、の順に適用を判定することになっていますが、これは被保険者の該当優先順位によるものです。例えば、日雇と高年齢の両方に該当する労働者は日雇労働被保険者に、高年齢と一般の両方に該当する労働者は高年齢被保険者に該当することになります。

尚、個人事業主、法人の役員(※15)、個人事業主の同居の家族(※16)は一般に被保険者の適用外になり、派遣労働者については、該当する場合、派遣元事業において被保険者となります。

(※15)代表取締役、監査役以外で、取締役であると同時に部長、支店長、工場長のように従業員的な実態があり、役員報酬より賃金の方が多額である場合や、就業規則等が適用されている場合は、被保険者となります。

(※16)同居の家族と共に一般従業員を使用しており、就労形態が一般従業員と同様であれば家族従事者であっても被保険者となる場合があります。

【図3】雇用保険の被保険者の適用基準

① 適用事業に雇用される労働者

雇用保険について、図2の(1)〜(3)の結果、適用事業に該当する事業に雇用される労働者です。

② 日雇労働被保険者に該当

日々雇用される者又は30日以内の期間を定めて雇用される者で、次のいずれかに該当する者です。

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適用区域(※17)に居住する者
適用区域外の地域に居住し、適用区域内にある適用事業に雇用される者
適用区域外の地域に居住し、厚生労働大臣が指定する適用区域外の地域にある適用事業に雇用される者
上記のほか、日雇労働被保険者の任意加入の申請をし、公共職業安定所長の認可を受けた者

(※17)公共職業安定所までの交通が便利な区域のことで、①東京都23区、②公共職業安定所の所在する市町村であって厚生労働大臣が特に指定する区域(除外区域)以外の区域、③前記①又は②に隣接する市町村の全部又は一部の区域であって厚生労働大臣が指定する区域、をいいます。日雇労働被保険者が失業認定を受ける場合、1日毎に公共職業安定所に出頭して行うため、住所地または事業地が適用区域等にあることが原則で、加えて(最後の項目である)任意加入制度がある建付になっています。

但し、前2ヶ月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された場合、又は、同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された場合は、原則として(※18)日雇労働者として扱われなくなり、短期雇用特例被保険者、高年齢被保険者又は一般被保険者になります(図3の③以降のステップに進みます)。

(※18)日雇労働被保険者が申請して公共職業安定所長の認可を受けた場合は、引き続き日雇労働被保険者となることができます。

③ 短期雇用特例被保険者に該当

季節的に雇用される者のうち、次のいずれにも該当しない者です。

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4ヶ月以内の期間を定めて雇用される者(※19)
1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である者

(※19)4ヶ月以内の期間を定めて季節的に雇用される者であっても、当初の所定の期間を超えて引き続き同一の事業主に雇用されるに至った場合は、その所定の期間を超えた日から短期雇用特別被保険者となります。(但し、週所定労働時間が30時間未満である場合又は所定の期間と延長された期間を通算して4ヶ月を超えない場合を除く。)

但し、短期雇用特例被保険者が、同一事業主に引き続いて1年以上雇用されるに至ったときは、その1年以上雇用されるに至った日(切替日)以降、高年齢被保険者又は一般被保険者になります(図3の④以降のステップに進みます)。

④ 適用除外に該当

以下に該当する者は、原則として雇用保険法は適用されない(つまり被保険者とならない)とされます。(雇用保険法第6条に規定する「適用除外」。但し、図3のフローチャートで日雇労働被保険者、短期雇用特例被保険者、高年齢被保険者に該当する場合は、これに関係なく当該被保険者になります。)

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1週間の所定労働時間が20時間未満である者
同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者(※20)(前2ヶ月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者を除く)
季節的に雇用される者であって、次のいずれかに該当する者
4ヶ月以内の期間を定めて雇用される者
1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である者
学校教育法に規定する学校、専修学校又は各種学校の学生又は生徒であって、一定の者(※21)(所謂、昼間学生等)
船員であって、漁船(政令で定めるものに限る)に乗り組むため雇用される者(1年を通じて船員として適用事業に雇用される場合を除く)(※22)
国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であって、一定のもの(※23)

(※20)雇用契約が31日未満であっても、雇止めの明示がなく、同様の契約により31日以上雇用されている実績があれば、31日以上雇用される見込みがあると判断されます。

(※21)雇用保険法施行規則3条2の規定により、以下①〜④に該当しない者をいう。(つまり、①〜④は被保険者になります。)①卒業を予定している者であって、適用事業に雇用され、卒業した後も引き続き当該事業に雇用されることとなっているもの、②休学中の者、③定時制の課程に在学する者、④前記①〜③に準ずる者として厚生労働省職業安定局長が定めるもの。

(※22)漁船に乗り組むため雇用されている船員は、1年のうち一定期間だけ就労することを前提とした賃金体系となっている場合があるため、原則適用除外としつつ、「1年を通じた雇用の場合」は被保険者となっています。

(※23)本サイトの対象者ではないので詳細は省略します。

⑤ 高年齢被保険者の特例に該当

65歳以上の労働者の場合、1つの事業所における 1週間の所定労働時間が20時間未満であっても、雇用保険の被保険者になる場合があるので注意が必要です。それは次の条件を全て満たす場合です。

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複数の事業主の適用事業に雇用される65歳以上の者
うち2つの事業主の適用事業(各事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上のものに限る)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上
当該2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上

これは(高齢者の)マルチジョブホルダー制度と呼ばれるもので、雇用保険法改正により令和4年1月1日にスタートした制度です(※24)

この制度を利用する場合は、労働者が雇用先である2つの事業所(3つ以上ある場合は2つを選択)から必要書類を取得し、自らの住所地を管轄する公共職業安定所へ申し出る必要があります。事業主は、マルチジョブホルダーの対象者が手続に必要な証明(雇用の事実や所定労働時間など)を依頼する場合、速やかに対応する必要があります。そして事業主は、マルチジョブホルダーが(この特例による)高年齢被保険者の資格を取得した日から、雇用保険料の納付義務が発生し、一般の被保険者と同様、雇用保険料の控除、納付手続を行うことになります。マルチジョブホルダーが申出を行ったことを理由に、解雇や雇止め、労働条件の不利益変更などを行うことは法律で禁じられています。

(※24)逆に言えば、(高年齢でない)一般被保険者が同時に複数の適用事業と雇用関係にある場合は、その者が生計を維持するのに必要な主たる賃金を受ける1つの雇用関係についてのみ被保険者となることができ、その雇用関係について週所定労働時間が20時間以上などの要件を満たす必要があります。

社会保険の適用基準

1.事業所としての基準

健康保険、厚生年金保険に関しては、原則、事業所単位で以下の図4のフローチャート及びその各項目の解説に従い、強制適用事業所、又は任意適用事業所に該当する場合に適用事業所となって加入義務が生じます。尚、図4のフローチャート自体は健康保険と厚生年金保険で共通ですが、強制適用事業所となる基準には若干の違いがありますので、ご留意下さい。

【図4】社会保険の適用基準

図4の各項目について、以下で説明していきます。

(1) 強制適用事業所に該当
健康保険の強制適用事業所

次のいずれかに該当する事業所は健康保険の強制適用事業所になります。

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法人(株式会社、合同会社など)の事業所で、常時1人でも従業員を使用するもの
個人事業主の事業所の場合、適用業種(※25)であって、常時5人以上の従業員を使用するもの

(※25)個人事業主の適用業種は、健康保険、厚生年金保険共通ですので、後述の表3をご参照ください。

厚生年金保険の強制適用事業所

次のいずれかに該当する事業所(又は船舶)は厚生年金保険の強制適用事業所になります。

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法人(株式会社、合同会社など)の事業所で、常時1人でも従業員を使用するもの
個人事業主の事業所の場合、適用業種であって、常時5人以上の従業員を使用するもの
船員法1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者が乗り組む船舶

厚生年金保険のの強制適用事業所は、健康保険の強制適用事業所に船舶を加えたものになります。

健康保険、厚生年金保険に共通して言えることですが、ここで言う従業員の数には、正社員、契約社員、パート、アルバイトなどの名称を問わず、また被保険者となるべき者に限らず、当該事業所に常時使用されている者であればカウントします。但し、派遣社員は派遣元事業所のカウントになります。また、法人の場合、ここでの従業員には法人の代表者も含まれます。従って、社長1人だけの法人の事業所も強制適用事業所となります。個人事業主自身はここでの従業員にカウントしません。また、個人事業主の適用業種とは、下表3に掲げる17業種(※26)になります。

【表3】個人事業の適用業種

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1.物の製造、加工、選別、包装、修理または解体の事業
2.土木建築業
3.鉱物採掘、採取事業
4.電気または動力の発生、伝導または供給の事業
5.貨物または旅客の運送事業
6.貨物積卸しの事業(荷役業)
7.焼却、清掃または屠殺事業
8.物品販売業
9.金融保険業
10.保管、賃貸事業
11.媒介周旋(斡旋)事業
12.集金、案内、広告事業
13.教育、研究、調査事業
14.医療、治療、助産事業
15.通信、報道事業
16.社会福祉事業、厚生保護事業
17.法律、会計に係る士業(弁護士、会計士、税理士、公証人、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士)

(※26)健康保険法3条3項1号、及び厚生年金保険法6条1項1号に規定する17業種。

個人事業主の場合、表3の適用業種に該当しなければ従業員の数に関わらず強制適用事業所に当たらない訳ですが、ご参考まで以下のような業種が適用業種外となります(あくまで主な業種の例示です)。

農林水産業、畜産業、飲食業、宿泊業、娯楽業、接客業、理容美容業(理髪店、エステサロン等)、興行事業(映画制作、映写、演劇等)、清掃業、洗濯業、浴場業、職業紹介・労働者派遣業、デザイン業、経営コンサルタント業、情報サービス業(ITエンジニア)、写真業、警備業、政治・経済・文化団体、宗教業

(2) 任意適用事業所に該当

社会保険の場合も、強制適用事業所以外あっても従業員(被保険者となるべき者に限定)の2分の1以上の同意を得て事業者が申請し、厚生労働大臣の認可を受けると適用事業所になることができます。健康保険、厚生年金保険のどちらか一つの制度のみ加入することも可能です。尚、労働保険(労災保険、雇用保険)と違い、従業員の2分の1以上の希望があっても、社会保険に加入する義務はありません。

2.労働者ごとの基準

従業員が被保険者となる基準については、健康保険と厚生年金保険で多少の違いがあります。まず、被保険者はその就業状況や年齢によって、健康保険と厚生年金保険それぞれ幾つかの種類に分かれます。以下の解説では、それぞれの被保険者の種類について概略を押さえた上で、事業者が初めて制度加入する場合に主に対象となる健康保険の「一般被保険者」と厚生年金保険の「当然被保険者」についての適用基準について詳しく見ていきます。

健康保険の被保険者

健康保険の被保険者には、適用事業所に使用される従業員である一般被保険者、日雇特例被保険者のほか、適用事業所に使用されなくなった後も任意で加入できる任意継続被保険者、特例退職被保険者の4種類があります。

【表4】健康保険の被保険者の種類

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被保険者の種類就業状況概要
一般被保険者(※27)(適用事業所に)
就業中
適用事業所に使用される日雇以外の者で、後述する適用除外に該当しない者。
日雇特例被保険者適用事業所に臨時に使用される者で、日々雇い入れられる者など(※28)
任意継続被保険者(適用事業所を)
退職後
退職等により一般被保険者の資格を喪失した者が、一定要件を満たす場合に保険者(協会けんぽ又は健康保険組合)に申し出て一定期間引き続き被保険者となるもの。
特例退職被保険者認可を受けた特定の健康保険組合の一般被保険者が退職後に選択できるもの。(従って本サイトの対象となる小規模事業の従業員には関係ないと考えられる。)

(※27)一般被保険者とは、正確にいうと「日雇特例被保険者、任意継続被保険者、特例退職被保険者以外の被保険者」という表現になりますが、本記事では単純に「一般被保険者」と呼んでいます。

(※28)健康保険法3条8項に規定する日雇労働者であって、同3条2項に該当する者。因みに、雇用保険では使用する労働者に日雇労働者を含めて”適用事業かどうか”の判断を行うのに対し、健康保険では適用事業所が日雇労働者を使用する場合に”被保険者となるかどうか”の判断となります。言い換えると、健康保険では適用事業所が日雇特例被保険者を使用する場合に被保険者の手続が必要になるだけですが、雇用保険では日雇労働者を使用すると、原則、適用事業に該当するため、(被保険者の手続に加え)事業としての加入手続が必要になります。

厚生年金保険の被保険者

厚生年金保険の被保険者には、適用事業所に使用される70歳未満の従業員(後述の適用除外を除く)である当然被保険者に加え、任意で加入できる任意単独被保険者、高齢任意加入被保険者の3種類があります。

【表5】厚生年金保険の被保険者の種類

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被保険者の種類年齢概要
当然被保険者70歳未満適用事業所に使用される70歳未満の者で、後述する適用除外に該当しない者
任意単独被保険者70歳未満適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者(後述する適用除外に該当する者を除く)で、事業主の同意を得て厚生労働大臣の認可を受けた者
高齢任意加入被保険者70歳以上適用事業所又は適用事業所以外の事業所に使用される70歳以上の者で、老齢年金の受給権を有しないものが、一定の手続を経て被保険者となるもの。
適用事業所以外の事業所の従業員の場合、事業主の同意を得た上で、厚生労働大臣の認可を受ける必要がある。
健康保険の「一般被保険者」、厚生年金保険の「当然被保険者」の適用基準

ここから、健康保険の一般被保険者、及び厚生年金保険の当然被保険者の適用基準について説明していきます。既に述べた通り、健康保険、厚生年金保険にはそれぞれいくつか被保険者の種類がある中、事業者として制度加入が必要となるのは採用する従業員が主にこれらに該当する場合なので、特に押さえておく必要がある適用基準です。(因みに、労災保険では労働者の種別に関係なく適用事業になり、また雇用保険でも被保険者の種類に関係なく適用事業となるのとは対照的です。)

下図5及びそれに続く各項目についての説明をご覧ください。尚、図5のフローチャート自体は健康保険と厚生年金保険で共通ですが、各項目の内容には違いある場合がありますので、ご留意下さい。

【図5】健康保険「一般被保険者」、厚生年金保険「当然被保険者」の適用基準

① 対象者は適用事業所に使用される者

厚生年金保険の場合は70歳未満限定、健康保険の場合はここでは年齢制限なしで判断します。法人の場合は、その代表者又は業務執行者もその法人から報酬を受ける限り「使用される者」に含みます(従って、社長1人の会社でも、その社長は「使用される者」になります)。一方、個人事業主は「使用される者」にはなりません(※29)

(※29)個人事業主は、国民健康保険、国民年金の被保険者となります。家族従業員も一般的には同様ですが、他の従業員と同様に管理(雇用契約、出勤簿、賃金台帳など)され、個人事業主の税優遇措置である青色事業専従者給与、事業専従者控除の対象外であれば被保険者となることができます。

② 対象者は適用除外に該当

次表6のいずれかに該当する者は、健康保険の一般被保険者、又は厚生年金保険の被保険者になることができません。この適用除外の規定も健康保険と厚生年金保険でほぼ同様ですが、一部の規定は健康保険のみに関わるものになります(表6の項目1. 7. 8. 9.)。尚、表6.の項目10. については、図5の③以降の判断にも関わる労働者の区分を理解する必要があり、以下の囲み記事をご覧ください。

【表6】社会保険の適用除外

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項目健康保険の適用除外厚生年金保険の適用除外
1.船員保険の強制被保険者(※30)
2.臨時に使用される者で、日々雇い入れられる者(※31)
3.臨時に使用される者で、2月以内の期間を定めて使用される者であって、当該期間を超えて使用されることが見込まれないもの(※32)
4.所在地が一定しない事業所に使用される者(※33)
5.4月以内の季節的業務に使用される者(※34)
6.臨時的事業の事業所に使用される者(※35)
7.国民健康保険組合の事業所に使用される者
8.後期高齢者医療の被保険者(※36)
9.厚生労働大臣、健康保険組合又は共済組合の承認を受けた者(※37)
10.その他4分の3未満短時間労働者

(※30)船員は船員保険法に基づく船員保険の適用を受けるため、健康保険の適用除外となります。

(※31)但し、その者が1月を超えて引き続き使用されるに至ったときは、その超えた日から一般被保険者(健康保険)、当然被保険者(厚生年金保険)になります。尚、この適用除外に該当するものは、原則、健康保険の日雇特例被保険者になります。また、船員についてはこの適用除外に該当しても厚生年金保険の当然被保険者になります。

(※32)但し、その者が当該定めた期間を超えて引き続き使用されるに至ったときは、その超えた日から一般被保険者(健康保険)、当然被保険者(厚生年金保険)になります。尚、この適用除外に該当するものは、原則、健康保険の日雇特例被保険者になります。また、船員についてはこの適用除外に該当しても厚生年金保険の当然被保険者になります。

(※33)巡回興行のような事業です。この場合、その者がその事業所に長期にわたって使用されたとしても、一般被保険者(健康保険)、当然被保険者(厚生年金保険)になりません。

(※34)季節的業務であっても、当初から継続して4月を超えて使用される予定である場合は、その当初から一般被保険者(健康保険)、当然被保険者(厚生年金保険)になります。逆に、当初4月未満使用される予定であったのが、業務の都合等によりたまたま継続して4月を超えて使用されるに至ったとしても、一般被保険者、当然被保険者にはなりません。尚、この適用除外に該当するものは、原則、健康保険の日雇特例被保険者になります。また、船員についてはこの適用除外に該当しても厚生年金保険の当然被保険者になります。

(※35)博覧会のように臨時的に開催される事業の事業所です。但し、その者が当初から継続して6月を超えて使用される予定である場合は、その当初から一般被保険者(健康保険)、当然被保険者(厚生年金保険)になります。逆に、当初6月未満使用される予定であったのが、業務の都合等によりたまたま継続して6月を超えて使用されるに至ったとしても、一般被保険者、当然被保険者にはなりません。尚、この適用除外に該当するものは、原則、健康保険の日雇特例被保険者になります。

(※36)75歳以上の者(65歳以上で所定の障害の状態にある旨の認定を受けた者を含む)は、後期高齢者医療制度の適用を受けるため、健康保険の適用除外となります。

(※37)本記事の対象者ではない、ごく例外的な扱いですので説明は省略します。

上にも述べた通り、表6の項目10.の「その他4分の3未満短時間労働者」や、図5の③の「特定適用事業所」及び④、⑤の判断には、労働者に関する区分を理解する必要があります。やや細かい区分であり、個人的にはここが社会保険の適用判断において最も難しい部分と思うところですので、敢えて囲み記事にまとめました。尚、以下の分類は、必ずしも正式な呼び方ではありませんが同様な呼称が使われることが多く、本記事でもルールを理解しやすくするために以下の呼び方を使用しています。

労働者の区分
・通常の労働者

所謂、フルタイムの正社員

・短時間就労者

1週間の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の労働者の4分の3以上である労働者(所謂、パート、アルバイト等)

・短時間労働者

1週間の所定労働時間又は1ヶ月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の労働者の4分の3未満である労働者(所謂、パート、アルバイト等)

・特定4分の3未満短時間労働者

短時間労働者であって、次の要件を全て満たす者

スクロールできます
1週間の所定労働時間が20時間以上であること
雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれること
月額賃金(最低賃金法において賃金に算入しないもの(※38)を除く)が8.8万円以上であること
学生(※39)でないこと

(※38)最低賃金については、別記事「給与に関する基礎知識」をご参照。

(※39)休学中や夜間学生は除く。

・その他4分の3未満短時間労働者

特定4分の3未満短時間労働者以外の短時間労働者

③事業所が特定適用事業所に該当、及び図5の④、⑤の判定について

特定適用事業所とは、社会保険の適用事業所であって、「特定労働者」の総数が常時100人を超えるものをいいます。ここで、特定労働者とは、70歳未満の者のうち表6で示した厚生年金保険の適用除外に該当せず、「特定4分の3未満短時間労働者」以外の者をいいます。言い換えると、厚生年金保険の当然被保険者であって短時間労働者以外の者を常時100人超使用する適用事業所ということになります。

そして、図5の③以下の判定により、特定適用事業所かどうかによって、被保険者の範囲が変わってくる(「特定4分の3未満短時間労働者」が被保険者になるかどうかが別れる)訳ですが、その特定適用事業所かどうかの判定(100人超かどうか)は「特定4分の3未満短時間労働者」を除いて判断するのです。つまり特定労働者の数が多い(つまり規模の大きい)特定適用事業所に該当する場合、短時間労働者のうち特定4分の3短時間労働者も被保険者となる(図5の④、⑤の違い)という訳です。

特定適用事業所については以下の点にもご留意ください。

  • 事業主が法人の場合、同一の法人番号を有する全ての適用事業所の合計で特定労働者の数が常時100人を超える場合、その全ての適用事業所が特定適用事業所となります。
  • 個人事業主の場合、適用事業所ごと(一括適用事業所(※40)の場合はその全体)に特定労働者の数が常時100人を超える場合、その適用事業所が特定適用事業所となります。

(※40)2つ以上の適用事業所の事業主が同一である場合、当該事業主は厚生労働大臣の承認により、当該2つ以上の事業所を1つの適用事業所とすることができます。これにより社会保険手続きを一括適用事業所で集中処理できるようになります。

  • 「常時100人を超える」とは、直近12ヶ月のうち6ヶ月で基準の100人を越えることが目安とされます。
  • 特定適用事業所に該当すると、労働時間の短い労働者(つまり特定4分の3未満短時間労働者)も社会保険の被保険者となる訳ですが、現在、政府は社会保険の適用拡大を進めており、基準となる特定労働者の人数の引き下げが進行中です。
  • 2022年10月1日  特定労働者の基準を、500人超→100人超へ引き下げ実施
  • 2024年10月1日  特定労働者の基準を、100人超→50人超へ引き下げ決定済み
  • 特定適用事業所の基準に満たない場合でも、労使の合意に基づき申出を行うことで特定適用事業所となることが認められており、これを任意特定適用事業所といいます。

「労働保険・社会保険の適用」に関する解説は以上で終了です。

ところで、最後に述べた社会保険の適用拡大に関しては、これまで「特定適用事業所」といった一定規模以上の事業所に関して一定の短時間労働者(「特定4分の3未満短時間労働者」)も健康保険・厚生年金保険の被保険者とし、その規模要件を徐々に引き下げる方向で適用拡大が進んできました。そして、2024年10月からは、特定適用事業所の基準となる特定労働者の数が「51人以上」まで引き下げになることまでは決まっています。

さらに、今後の「適用拡大」の方向性として、以下のような検討が俎上に上がっています(※41)

  1. 「特定適用事業所」といった規模要件を撤廃
  2. 個人事業の適用業種の拡大
  3. 週労働時間20時間未満の短時間労働者への適用拡大

1.が実施されると、全ての適用事業所において「特定4分の3未満短時間労働者」が被保険者となり、また、2.ではこれまで加入が義務でなかった個人事業の業種(例えば表3の下の囲み内の業種)の事業主も、5人以上を常時雇用すると社会保険の加入が必要になります。

このように、小規模事業者にとって大きな影響を与えうる「適用拡大」であり、新聞等(※42)でも取り上られているものの、もともとのルールが複雑すぎるためにその影響に対する理解は進んでいないと思われます。本記事では、フローチャートや「労働者の区分」を整理することによって、自身の事業や従業員が将来の「適用拡大」の影響を受けるのかといった点についても、判断できるように留意したつもりです。ご参考になれば嬉しく思います。

(※41)厚生労働省「第4回社会保険審議会年金部会」2023年5月30日付資料3 が参考になります。

(※42)2023年5月30日付日経新聞「パートの厚生年金、対象拡大 企業の規模要件撤廃へ議論」など。

以上