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税金に関する一般知識

本記事のキーワード

申告納税方式 賦課課税方式

この記事では、本サイトの税金関係手続の記事を読む上で基礎となるような事項をまとめています。

主な税とその分類方法

租税には様々な種類があり、それらの分類方法もいろいろあります。まずは代表的な分類について、下表1にまとめてみました。

【表1】税金の主な分類方法

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・ 課税主体による分類国税国が課税する税金
地方税都道府県、市町村など地方自治体が課税する税金
・ 課税目的となる経済対象による分類所得課税個人や法人の所得に対して課税する税金
消費課税物品の消費やサービスの提供などに対して課税する税金
資産課税等資産などに課税する税金
・ 課税方法による分類直接税税金を負担する人が直接納める税金
間接税税金を負担する人と納める人が違う税金
・ 納付方法による分類申告納税方式納税者が税額を計算して申告する方式(税金)
賦課課税方式国、自治体が税額を計算して通知し、納税者が払う方式(税金)
・ 使途が決まっているかどうかによる分類普通税使いみちが特定されていない税金
目的税使いみちが特定されている税金

次に、以上の分類のうち、「課税主体」と「課税目的となる経済対象」の2つを軸として、主な税目を分類してみたのが下表2です。

【表2】課税主体、及び課税目的の経済対象による税目の分類

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           国税           地方税
所得課税所得税、復興特別所得税法人税、
地方法人税、特別法人事業税
個人住民税、個人事業税、
法人住民税、法人事業税
消費課税消費税、酒税、たばこ税、たばこ特別税、
揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、
航空機燃料税、石油石炭税、自動車重量税、
電源開発促進税、国際観光旅客税、関税、
とん税、特別とん税
地方消費税、地方たばこ税、ゴルフ場利用税、
軽油引取税、自動車税(環境性能割・種別割)、
軽自動車税(環境性能割・種別割)、鉱区税、
鉱産税、狩猟税、入湯税
資産課税等相続税、贈与税、登録免許税、印紙税不動産取得税、固定資産税、特別土地保有税、
法定外普通税、事業所税、都市計画税、
水利地益税、共同施設税、宅地開発税、
国民健康保険税、法定外目的税

表2の税目を課税方法(直接税・間接税)の分類でいうと、例えば、所得課税は全て直接税、消費課税では自動車税は直接税、消費税は間接税ということになります。また、納付方法の分類でいうと、例えば、所得税、法人税、法人住民税、法人事業税などは申告納税方式、個人住民税や個人事業税などは賦課課税方式になります。使途の分類では、所得税は普通税、復興特別所得税は目的税です。

事業者に一般的に係る税金

次に、多々ある表2の税目の中から、事業者に関係する税目を抽出したのが下表3になります(※1)

【表3】事業者に関わる主な税目

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         国税       地方税
所得課税個人事業所得税、復興特別所得税個人住民税、個人事業税
会社法人税、地方法人税、特別法人事業税法人住民税、法人事業税
消費課税(個人事業、会社)消費税地方消費税
資産課税等(個人事業、会社)償却資産税(固定資産税の一種)

(※1)本サイトではこれら事業者一般に関係する税目についての手続をカバーしていきます。その他、特定の業種や取引に関わる税目には触れておりませんのでご注意ください。

個人事業主に関わる税金

所得に係る税金として所得税(及び復興特別所得税)、住民税と事業税があり、そのほかに課税事業者は消費税(及び地方消費税)、償却資産を保有していれば償却資産税が係ります。このうち、所得税及び消費税は申告納税方式で、償却資産税は賦課課税方式ながら償却資産の申告が必要となるので、いずれも納税者からアクションをとる必要があります。住民税と事業税は賦課課税方式であり、所得税の確定申告を行えば、自治体から納付書が送られてくるので、それに従って納付を行えば失念する心配はないでしょう。したがって、個人事業主が自ら納める税金手続で注意が必要なのは、所得税(及び課税事業者の場合は消費税も)の申告納税と償却資産の申告ということになります(源泉徴収した従業員などの所得税などは別に行う必要があります)。

納税手続の具体的な説明は、別記事「個人事業の記帳・決算・税務申告」で解説していますのでご参照ください。

会社に関わる税金

所得に係る税金として法人税(地方法人税)、住民税、事業税(特別法人事業税)があり、そのほかに課税事業者は消費税(地方消費税)、償却資産を保有していれば償却資産税が係ります。会社の場合は、償却資産税を除く全てが申告納税方式であり、納税者である会社が申告納税を行う必要があります。(償却資産税に関しては、納付方法としては賦課課税方式ですが、償却資産の申告義務があります。)

手続の具体的な説明は、別記事「会社に係る税金の全体像」で解説します。

以上