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所得税の納付手続

初回出稿日:2024年11月8日

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所得税徴収高計算書

本記事では、従業員の給与等や外部専門家等への報酬、料金等から源泉徴収した所得税(※1)の納付手続について解説します。

源泉徴収した所得税は、原則、給与等を支払った月(源泉徴収した月)の翌月10日までに税務署に納付します(※2)。納付期限の日が土曜日、日曜日、祝日にあたる場合は、その次の平日が納付期限となります。

納付手続は、e-Tax によるオンライン、又は所轄税務署等の窓口で行うことができます。以下、まず窓口での納付手続について、次に e-Tax でのオンライン手続について解説します。

(※1)法人の場合は、従業員に限らず代表者本人の報酬に対しても源泉徴収義務があるので納付手続が必要です。尚、給与等からの徴収手続は給与計算に関する記事「控除項目の計算」を、外部専門家等への報酬、料金等からの徴収手続は「報酬、料金等に係る源泉徴収義務」をご参照。

(※2)例外としての「納期の特例」については後述します。

窓口での納付手続

所轄の税務署、又は日銀歳入代理店である金融機関の窓口にて、現金に納付書を添えて納付します。

納付書は事前に税務署や金融機関の窓口で入手しておきます。電話で税務署から取り寄せることもできます。

納付書は、源泉徴収の対象となる所得のタイプによって9種類に分かれます(※3)が、本記事で扱う源泉所得税に関して言えば、ほぼ以下の2種類に限られます(※4)

【表1】源泉所得税の主な納付書

納付書の種類対象となる所得のタイプ備考
(1)給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書① 居住者に対して支払う給与、賞与、退職手当等
② 弁護士、公認会計士、司法書士等に支払う報酬等
図1ご参照(※5)
(2)報酬・料金等の所得税徴収高計算書源泉所得税の対象となる報酬等で、②以外のもの図2ご参照

各納付書の記入方法については、国税庁「所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた」をご参照ください。

【図1】給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納付書)

【図2】報酬・料金等の所得税徴収高計算書(納付書)

(※3)2024年11月現在9種類あります。表1の他には、配当等に係る源泉所得税用の「配当等の所得税徴収高計算書」や、非居住者や外国法人への報酬等に係る「非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書」などがあります。詳しくは、国税庁「所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた」をご参照。

(※4)但し、支払先が非居住者や外国法人の場合には「非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書」への記載が必要です。

(※5後述する「納期の特例」を受けている場合は、様式が異なるのでご注意ください。

e-Tax での納付手続

e-Tax(※6) を使えば、紙ベースの納付書を入手、記入したり、税務署等の窓口へ訪問することなく納付手続を済ますことができます。(納期の特例を受けていない限り)毎月の手続となりますので、e-Tax の利用がお薦めです。

e-Tax にはソフトウェアをインストールする e-Tax ソフトとブラウザで利用できる Web版 e-Tax がありますが、源泉所得税の納付はどちらでも手続可能です(※7)

e-Tax を使った具体的な納付手続については、e-Tax「源泉所得税(徴収高計算書)についてよくある質問」をご参照ください。支払はインターネットバンキング、クレジットカード及び(事前登録によって)口座振替のいずれかで行うことができます。

(※6)e-Tax のポータルサイト:国税電子申告・納税システム(e-Tax)。e-Tax を含む便利なオンライン手続やその認証方法等については「行政のオンライン手続について」もご参照ください。

(※7)インストールが必要な e-Taxソフトは、OSが Windows にしか対応していません。(Mac OS では利用できません。2024年11月現在。)

「納期の特例」がある場合の手続

給与所得等の源泉徴収所得税について、納期の特例を受けている場合(※8)は、「弁護士、公認会計士、司法書士等に支払う報酬・料金」(つまり、表1の(1)②)についてのみ、給与等と同様、年2回(7月から12月に源泉徴収した所得税を1月20日まで、1月から6月分を7月10日まで)にまとめて納付することができます(※9)。1月20日、7月10日が土曜日、日曜日、祝日にあたる場合は、その次の平日が納付期限となります。

納付の期限を受けている場合の納付も、窓口、e-Tax それぞれで手続可能です。

(※8)納期の特例の適用手続については、「源泉所得税、住民税の納期の特例等」をご参照。

(※9)納期の特例は、表1の(1)についてのみに適用されます。表1の(2)には適用されません。

以上